絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
by cuckoo2006
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「愛をよむひと」監督スティーブン・ダルドリー

愛を読むひと」   

「愛をよむひと」監督スティーブン・ダルドリー_c0186554_10375092.jpg見どころ
ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説をケイト・ウィンストレット主演で映画化した感動作。第2次大戦後のドイツを舞台に、少年と謎めいた年上の女性との物語が展開する。
ストーリー
15歳のマイケルはある日、21歳も年上のハンナと出会い、恋に落ちる。ところがある日突然、彼女はマイケルの前から姿を消してしまう。数年後、法学専攻の大学生となった彼は、法廷でハンナと思いもよらぬ再会を果たす。(Movie Walkerより)



 




 今年の暫定マイベスト1作品!
ポスターや粗筋から、古いところでは「個人教授」(ナタリー・ドロン、ルノー・ベルレー)あたりが連想され、観ようという気になりませんでした。でも、あまりに絶賛する声があちこちから聞こえてくるし、ケイト・ウィンスレットのオスカー主演女優賞作品なら見ておくか~と腰を上げました。

 予想していた古典的恋愛映画とは全く違いました。何しろヒロインが、無期懲役刑を終え出獄する老け役までを演じ切ります。幕開けの舞台は、1958年、ベルリン。石畳に叩きつけるように降る雨の中をゆく路面電車。二人の出会いの場面に、現在のマイケルの視線が挟み込まれ、スクリーンからは一級作品独特の重厚感が伝わってきます。鳥肌です。

 美しく謎めいた年上の女性ハンナに翻弄されながらもマイケルは愛欲にのめり込んでいきます。そんな夏、マイケルはハンナを誘い、自転車旅行に出かけます。一休みしていく教会の一番後ろの席で、子供達のコーラスを聴くハンナの今にも泣き出しそうな、困ったような笑顔が、胸に焼きつきました。恐らくこの瞬間が、彼女の生涯の中で、一番幸福な時間だったのではないでしょうか。それほど過酷な人生を送ってきたと想像できる「ある秘密」がハンナにはありました。

 やがて、ハンナは歴史の渦に激しく巻き込まれていきます。「秘密」を明かしたくないがために、彼女は自ら重い罪を引き受けます。また、マイケル自身も、その罪を背負う人生を歩んで行くことになります。そして、年月は過ぎ去り・・・

 出所日が決まり、刑務所の談話室の隅で二人は再会を果たします。中年になったマイケルを昔のままKIDと呼び、微笑むハンナ。精一杯の思いやりを示しながらも、短い再会の別れ際に、マイケルがハンナに指一本触れないことに大きな違和感を感じました。もし、手を取ったり肩を抱くなど自然の振る舞いがあったら、「悲劇」は起きなかったのでは、と感じました。

 しかし、その「悲劇」により、マイケルもようやく自分の人生と向き合い、一歩を踏み出していきます。ハンナの人生が辛く哀しいぶん、二人の読むチェーホフの「犬を連れた奥さん」が、やさしく沁みます。


@TOHOシネマズ西新井
by cuckoo2006 | 2009-08-24 16:26 | 洋画 | Trackback | Comments(1)
Commented at 2009-10-08 13:10 x
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