絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
by cuckoo2006
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「休暇 Holidays」演出栗山民也

 「休暇 Holidays」演出栗山民也_d0074962_14374827.jpg
 ローズ(保坂知寿)は乳ガンを患い、片方の胸を14年前に切除。その後、再発の不安を抱えながらも、夫アーサー(永島敏行)の愛情深い支えのもと、明るさとユーモアを失わず生きている。
毎夏のプロヴァンスでの休暇は、二人の絆を深める大切な時間だった。お互いの母親との確執、子供を持たなかった現実、何よりいかに「アイツ」と戦うかを悩み考えた夏の日々。
その「アイツ」が帰ってきた。それも肺に。その次は首に。
これまでの西洋医学の治療方法に疑問を抱いていたローズは、信頼するカウンセラーのすすめで彼女のコテージを借り、過去の本音を日々思いつくままテープレコーダーに喋り続ける。これからの治療に不可欠、とカウンセラーからの指示なのだが、それは現実を見つめ直す作業だった。
どんよりとしたヨークシャでの期間限定、一週間の隠遁生活が始まる。
ほどなくコテージのガスオーブンが壊れた。修理工のラルフ(加藤虎ノ介)がやってくる。
思いのほか、文学や哲学に広く知識を持ち熱く語るラルフに、少なからず心惹かれてゆくローズ……(地人会新社HPより)
作/ジョン・ハリソン
訳/水谷八也
演出/栗山民也
[配役]
保坂知寿:ローズ・ローストン
加藤虎ノ介:ラルフ・グレイリング
永島敏行:アーサー・ローストン


 たくさんのチラシの中からアンテナがキャッチしただけあります。ガツンと来ました。昨夏に訪れ、すっかり気に入った小劇場「赤坂レッドシアター」で上演中です。

 舞台は、ヨークシャーの閑静なコテージ。そこに登場する中年の夫婦、ローズとアーサー。夫婦が醸し出す、時を刻んできた安定感と同時に、ヒリヒリするような一触即発の感覚が伝わってきます。この舞台はアタリと直感しました。

 ローズはカウンセラーの薦めにより気持ちを整理するため、このコテージで一週間を過ごす。現在のこの場所に、夫婦が共に過ごしたプロヴァンスでの休暇の場面が差し挟まれます。

 ローズは一人過去を振り返る。「気持ちのわだかまりの源を探すのよね。それには、ママが死んだ16年前まで遡らなければ。いいえ、本当のことを言えばはもっともっと前からだわ、、、」自嘲ぎみに表されるローズの苛立ちと不安に共感します。

 そこへ三人目の登場人物ラルフがオーブンの修理にやって来ます。ローズとラルフは不思議に打ち解け合い、彼と語り合ううちに彼女は、夫アーサーの真の姿、また彼女自身の本当の気持ちと向き合い始めるのでした、、、

 「実在の人々の人生に聞き耳を立てているような感覚」とチラシにありますが、所々に自分の胸の内を見せられている気分にもなります。おお、ここにもこういう夫婦がいたか、と。愛という名のもとに繰り広げられる夫婦関係の難儀さは万国共通のものでしょう。

 ラルフとの出会いで一つ扉を開けたローズでしたが、いざ三人が対面してみると劇的な事は何も起らず、男たちは臆病な誠意を示すばかり。ローズは自分を連れ戻そうとしない夫を怒り出す始末です。

 そして、ローズは小さな決断をする。カウンセラーへの電話の最後のひと言も良かった。そう、それでいいのよ、と私もローズに呟いていました。


@赤坂レッド・シアター

by cuckoo2006 | 2014-05-18 13:43 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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