絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
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「母と暮らせば」監督脚本 山田洋次


「母と暮らせば」監督脚本 山田洋次_d0074962_14554854.jpg
解説 1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこれなかったんだよ」。その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。ふたりはたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。ふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。(TOHOシネマズ)

キャスト

吉永小百合 福原伸子

二宮和也  福原浩二

黒木華   佐多町子

浅野忠信  黒田

加藤健一 上海のおじさん

 原爆投下から3年が過ぎた長崎。戦争で大切な人を失った人々の夏から秋、初雪の舞う新年までが描かれます。

 長崎湾を見渡す墓の前で、「もう、諦めた、忘れましょう」と息子の恋人・町子に声を掛ける母・伸子。町子は一人になった伸子にこれまで何くれとなく力を貸してくれていました。

 シイシイシイと蝉の鳴く中、汗を拭き拭き家までの急な坂を上り下りする二人。この夏の季節が一番良かった。心の綺麗な人々が織りなすドラマに現実感はやや薄れますが、山田洋次監督の世界が心地良く沁みます。

 一緒に観た友人から「マザコンぶりがキモチワルイ」と言われてしまった浩二ですが、確かに出かける時、母から返事があるまで玄関で「カーサン!カーサン!行って来ます!」と大声を出すのは小学生まででしょう。

 母からも「あんたは男のくせにお喋り」と笑われる浩二ですが、母ではなく息子をお喋りの設定にしたのは、吉永小百合が母親役だからこそでしょう。

 そんな中、母が最後に見せる、幸福になる町子への嫉妬。吉永小百合が顔を醜く歪め感情を爆発させます。スクリーンがグンと近づいた瞬間でした。「母さんは悪か人間よ」という母にじっと寄り添うしかない浩二でした。

 一緒に観た友人に「死を美化している」と指摘されたラストシーンですが、町子に浩二を忘れ幸せになりなさい、と告げた伸子の心身は限界を越えていたのでしょう。もうこれで良かったのだと思えました。

 物語の余韻が悲しく、悲しい気持ちを少しの間、引きずる、そんな作品でした。


@新宿ピカデリー


by cuckoo2006 | 2016-02-14 13:39 | 邦画 | Trackback | Comments(0)
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