絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
by cuckoo2006
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「64 ロクヨン」上・下横山秀夫〔著〕

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「64 ロクヨン」上・下横山秀夫〔著〕_d0074962_15573271.jpg
内容(「BOOK」データベースより)

警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。


  小説を読んで、久しぶりに血湧き肉躍る感覚を味わいました!


 「踊る大捜査線」を見て警察官に憧れた人はたくさんいると思いますが、この本を読んで警察官になりたいと思う人はまずいないでしょう。それくらい縦社会、男社会の閉塞感が充満しています。ここに居たいとは到底思えませんでした。


 昭和64年に起こった未解決の幼女誘拐殺人事件、通称ロクヨン事件から14年後の平成14年が舞台となります。

 物語には様々な対立の構図が描かれます。刑事部と警務部の対立など刑事ドラマにはまず出て来ない話。内部人事の実情に興味を引かれました。主人公は刑事部から警務部に異動になったばかりの三上広報官。彼の率いる県警広報と新聞記者達は激しくぶつかり合いながら水面下での駆け引きを繰り広げます。様々な人々の複雑に絡まり合った人間関係は色濃く、奥底をのぞき込むような心理描写に息苦しささえ感じました。

 そして、三上と妻の美那子は、3か月前から行方不明の高校生の娘あゆみの無事を祈り続けていました。

 そんな折、未解決事件の情報を求めるため警視庁長官が視察にやって来ます。被害者家族への弔問の交渉や新聞記者との攻防の中、三上はロクヨン事件には警察内部に隠蔽されている新事実があることに気づきます。やがて新たな事件が起こり、それに伴いロクヨン事件も一気に動き出します・・・・

 物語が重苦しかった分、最後は爽やかな風が吹き抜けます。そこはやはり横山秀夫でした。

 三上の妻が呟きます。「あゆみはきっとどこかにいる。ありのままのあゆみを受け入れて見守ってくれる誰かと。そこがあゆみの居場所。ここではなく、そこでならあゆみはのびのびと生きていける」と。

 私も本当にそんな気がしてきて分厚い本を読み終えました。




by cuckoo2006 | 2016-06-26 16:48 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(0)
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