カテゴリ
全体本(日本のもの) 本(外国のもの) 海外ミステリー 村上春樹 邦画 洋画 韓国映画 舞台 えてがみどどいつ 折り込み都々逸 折り込み短・狂歌 狂歌(今年を振り返って) 絵手紙展 3分スピーチ@話し方教室 エッセイ@文章教室 児童文学 旧作再掲載 未分類 以前の記事
2024年 03月2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... 最新のコメント
最新のトラックバック
ブックマーク (五十音順)
★都々逸しぐれ吟社★
伊勢の手鏡 インディアンとウチナーンチュ Welcome to Dolphin Samba えっちゃんの絵手紙日記 ブログ版「江戸時間で暮 す」 小野桂之介の「都々逸っていいなあ」 おばさんの、ひとりごと 想い出CameraⅣ 北川ふぅふぅの赤鬼と青鬼のタンゴ 霧島の森よりキルトとともに愛をこめて・・・ くぬぎの森の物語 / 鵜澤廣 春夏秋冬 銀の絵手紙 JAZZ VOCAL KUNIE IWANAMI ないものを あるもので 日本語のおもしろ言葉遊び 日本回文協会 日々是絵手紙 梟通信~ホンの戯言 47都道府県温泉制覇 +旅の都々逸 タグ
絵手紙(559)
都々逸(453) 愛犬ハル(58) 折り込み都々逸(31) 湯呑み(13) 小説(12) どどいつ(11) 3分スピーチ(9) 菊(7) 村上春樹(7) 記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
「鉄の枷」 ミネット・ウォルターズ[著]
『資産家の老婦人は血で濁った浴槽の中で死んでいた。睡眠薬を服用した上で手首を切るというのは、よくある自殺の手段である。だが、現場の異様な光景がその解釈に疑問を投げかけていた。野菊や刺草で飾られた禍々しい中世の拘束具が、死者の頭に被せられていたのだ。これは何を意味するのか? 英国推理作家協会ゴールドダガー賞受賞作。』
朝日新聞に連載中の桐野夏生「メタボラ」が面白い。朝刊を広げてまずこれを読むのが私のささやかな楽しみだ。 新聞連載小説と言えば、しょっちゅう読み忘れているうちに筋が分からなくなり、もう読むのが面倒になる、がお決まりだった。だが、これは読み忘れるとことはまずない。 そう言えば、週刊誌の連載小説でも最近、最後まで読み通した記憶があるのは、週刊文春のこれも桐野夏生の「グロテスク」ぐらいだ。 同じ紙面に並んでいる今朝の事件に遅れを取らないほど、今を掬い取るインパクトを持っているのだと思う。並々ならぬ力量だ。 そんなわけで、朝刊を広げてまず「メタボラ」を探す、小さな朝の幸せである。 同じように読みかけの長編ミステリーを抱えている最中も暫しの幸福感が続く。 文庫本を胸に抱き寝床へ向う時、ひたひたと幸せが満ちて来るのである。 で、この「鉄の枷」もぶ厚い分、じっくり幸福感が味わえた。 繊細に緻密に練り上げられたストーリー、これだから海外ミステリはやめられない!という一冊だった。 でも難を言えば、被害者の老婦人一家があまりにも特異な事情を持ち過ぎていたのが残念だった。 サイコパスとか異常心理ものよりも、普通の人間が持つ心の闇から起こる犯罪、誰もが犯罪者になる可能性があり、被害者になるか加害者になるかは紙一重、という話が私は断然好みだ。 この前読んだウォルターズの「蛇の形」の方が、物語もヒロインも好きだった。 何はともあれ、海外ミステリーは私の心の“オアシス本”、読み終わった時、寂しくなるほど楽しませてくれる。 「メタボラ」が終ったときもきっと気が抜けてしまうだろう。
by cuckoo2006
| 2006-11-07 08:32
| 海外ミステリー
|
Trackback(1)
|
Comments(0)
Tracked
from 速読 & 読書 感想文
at 2006-11-07 12:31
|