小説、映画、絵手紙、都々逸
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「手紙」 東野圭吾〔著〕

d0074962_131072.jpg『強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。』




東野圭吾の「手紙」がいいよ!という話をあちこちで耳にします。この前読んだ「変身」もやはり浅くて粗いという印象だったのですが、ひょっとして一番美味しいところを齧りそこねているのかも知れません・・平積みされている文庫本に手を伸ばしてみました。

ずっしりした読み応えは期待通りです。「手紙」には深みがありました。そして、いつもながら筋立てが派手で面白い。気が付いたら電車を二駅乗り過ごしてました。

弟は犯罪者の家族として社会から差別され続けます。作者は、この周囲の冷たさ、理不尽さを「まっとうな自己防衛本能」であると登場人物の一人に言わせます。差別は許されることではない、しかし実際に自分の隣人として或いは家族の結婚相手として、犯罪者家族を受け入れることが出来るかというと・・・自分も差別の加害者側の一人であることを認めざるを得ない・・このことを真っ直ぐ読者に突きつけながら物語を進めます。
さらに幼い娘の怪我という弟夫婦を被害者側の立場にさせる事故も起こり、物語は角度を変えながら展開していきます。差別を克服していくという表面的な綺麗事にしなかったのが見事だと思いました。

そして、兄が獄中から送り続ける手紙に弟はある意志を書き送る・・この部分は、謝罪するという意味に共感しました。自分の身に引き合わせて参考になります。

ところで、今回「手紙」を読んで、東野圭吾の本に粗さ、浅さを感じる理由にハタと気付きました。この作家、小説家として文章が上手くないです。もっと言うと情感や余韻に欠ける。毎回派手な道具立てばかりに目を奪われます。
そう考えると改めて村上春樹や池澤夏樹の文章の巧みさを思い知りました。さしたる事件も起こらない世界を淡々と描いて読み手を引き付ける。並々ならぬ力量です。
もちろんそんな文体の好みも全く以って人それぞれ。作家と読者にはっきり相性の良し悪しがあるのも読書の楽しいところでしょう。

とにかく、この「手紙」は食わず嫌いしなくて良かった。犯罪加害者の家族への差別を通じて重い問いかけに考えさせられるものが多くありました。作品はこの秋映画化され上映中です。
次に読む東野圭吾を早くも決定済み、「どちらが彼女を殺したか」、こちらはミステリーです。
by cuckoo2006 | 2006-12-01 00:22 | 本(日本のもの) | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 男を磨く旅 at 2007-06-03 11:05
タイトル : 「手紙」東野圭吾著、読んでみました。
  「手紙」東野圭吾著、読んでみました。「東野圭吾」15作目です。かなり重い内容ですし、楽しい話じゃ無いんですが、作者の力量もありどんどんページが進みました。「剛志」が犯した「重罪」の波紋が消える事無く「直貴」に訪れる「幸せの芽」を悉くかき消してゆく。直貴を取り巻く社会の大人たちの振る舞いも、殆どが「善と偽善」の狭間のような対応なだけに、直貴自身も納得できてしまうのが「つらい現実」だ。本人が全く悪い事を何一つしてないだけに、読者の殆どがその「やるせなさ」や「憤り」を感じる展開だが、...... more
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