絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
by cuckoo2006
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
本(日本のもの)
本(外国のもの)
海外ミステリー
村上春樹
邦画
洋画
韓国映画
舞台
えてがみどどいつ
折り込み都々逸
折り込み短・狂歌
狂歌(今年を振り返って)
絵手紙展
3分スピーチ@話し方教室
エッセイ@文章教室
児童文学
旧作再掲載
未分類
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
more...
最新のコメント
kepitaroさん ..
by cuckoo2006 at 18:23
この「保木間」という地名..
by kepitaro at 17:38
yumechiyanさ..
by cuckoo2006 at 20:34
こんばんは 少し早いで..
by yumechiyan at 20:50
tsunojirushi..
by cuckoo2006 at 15:26
私は「円」の単位が付くと..
by tsunojirushi at 11:59
wakuさんがおっしゃる..
by cuckoo2006 at 12:41
「つりだし」という決まり..
by waku59 at 08:37
まさ尋さん それはもう..
by cuckoo2006 at 14:27
まさ尋さん やはりそう..
by cuckoo2006 at 14:16
最新のトラックバック
ブックマーク  (五十音順)
タグ
(559)
(453)
(58)
(31)
(13)
(12)
(11)
(9)
(7)
(7)
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


「眉山」 さだまさし〔著〕

「眉山」 さだまさし〔著〕_d0074962_17155816.jpg『東京で働く咲子は、故郷の徳島で一人暮らす母が末期癌で数ヶ月の命と告知される。徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は母が自分に黙って「献体」を申し込んでいたことを知る。それはなぜなのか?やがて咲子は、まだ会ったことのない父の存在と、母の想いに辿り着く――。毅然と生きてきた女性の切なく苦しい愛が胸をうつ長編小説。』(文庫本裏表紙より)



香川のこんぴらさんから徳島へ三日間の一人旅をして来ました。
鞄に入れた文庫本は、映画にもなった、さだまさしの「眉山」です。

万葉集にも詠われ、街を見守るように優しい稜線をみせる眉山に、市内を隆々と流れる吉野川。たおやかな自然に、人形浄瑠璃、阿波踊りといった道具立ても華やかに、徳島の魅力を存分に伝えてくれます。

眉山へのロープウェーを待つベンチで、また人形浄瑠璃を見学できる「阿波十郎兵衛屋敷」の客席でページをめくり、さながら本の中に入り込んだような臨場感を味わいました。ゼイタクな読書です。「阿波踊り会館」では、男踊り、女踊りの解説も興味深く、阿波踊りの上演に魅せられました。演舞場へ“連”が次々に踊り込む場面が、この本のクライマックスとなります。

誰にも告げることなく母が希望した「献体」について書かれた部分には、作者の並々ならぬ力の入り具合を感じました。一番伝えたかったことは、ここではないかな、と思いました。けれども、残念ながら、物語の筋立てそのものには、もう一つ新鮮さがありません。

昔から、さだまさしの歌に感じる“物語性”に引かれてきましたが、その中でも、日常の何気ない一瞬を切り取ったような曲が好みでした。例えば、「雨宿り」、「主人公」、「案山子」などなど。そのような歌とは反対に、この「眉山」は、舞台映えのする人物設定が、反ってストーリーを類型的にしてしまった印象です。不治の病、会ったことのない父、一人生きる母の姿勢の完璧さ、といったものに、現実感は薄く、少々古典的に思えました。

とは言っても、四国の旅に彩りを添えてくれた本書に感謝!
瀬戸大橋からの“海の箱庭”のような眺めと同じくらい、思い出深い一冊になりました。
by cuckoo2006 | 2007-12-07 17:18 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(2)
Commented by 楽生 at 2007-12-11 08:34 x
>香川のこんぴらさんから徳島へ三日間の一人旅をして来ました。

僕も10月27日~28日に徳島に行きました。四国88ヶ所巡りや阿波踊り等で20回くらい四国には行ってますので、章子さん旅の様子目に浮かびました。
四国は観光名所もたくさんありますが、食べ物も美味しいものがいろいろあります。讃岐うどんはもちろん、阿波牛、阿波尾鶏、徳島ラーメ等々、そして味付けは大阪と大変よく似ています。
Commented by cuckoo2006 at 2007-12-11 19:28
ベートーベンの「鳴門市ドイツ館」に行きたかったのですが、閉館時間が早くて叶いませんでした。あと、楽生さんもここに立ち寄ったのではないかなあと思いつつ、徳島駅「CITY」前の「可成家」で、徳島ラーメンを食べましたよ。こってりのとんこつ味が美味しかったです。麺類の旅でした。
四国へ20回とは凄いですね。私も鳴門の一番札所の「霊山寺」だけ参りたかったのですが、足がなく断念。渦潮は、「小潮」でしたが、大鳴門橋の架かる鳴門海峡は、雄大な眺めでした。それから、市内を流れる吉野川の豊かさに感動。街なかを、あれほどの水を湛えた川が流れるのを初めて見ました。
また、旅のお便り、お待ちしていますね!
<< 「ALWAYS 続三丁目の夕日... 「号泣する準備はできていた」 ... >>