小説、映画、絵手紙、都々逸
by cuckoo2006
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水無月干物 えてがみどどいつ

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梅雨寒今夜も干物で済まし残った頭を猫にやる
by cuckoo2006 | 2013-06-20 12:50 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

水無月犬 えてがみどどいつ

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ひと雨来るよと話して聞かせ犬の散歩はやめておく
by cuckoo2006 | 2013-06-12 10:29 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

水無月紫陽花 えてがみどどいつ

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雨粒まとった紫陽花淡く梅雨の主役は空を向く
by cuckoo2006 | 2013-06-09 15:26 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(2)

「ことり」小川洋子[著]

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内容紹介
12年ぶり、待望の書き下ろし長編小説。
親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、
そして彼の言葉をただ一人世の中でわかるのは弟だけだ。
小鳥たちは兄弟の前で、競って歌を披露し、息継ぎを惜しむくらいに、一所懸命歌った。
兄はあらゆる医療的な試みにもかかわらず、人間の言葉を話せない。
青空薬局で棒つきキャンディーを買って、その包み紙で小鳥ブローチをつくって過ごす。
やがて両親は死に、兄は幼稚園の鳥小屋を見学しながら、そのさえずりを聴く。
弟は働きながら、夜はラジオに耳を傾ける。
静かで、温かな二人の生活が続いた。小さな、ひたむきな幸せ……。
そして時は過ぎゆき、兄は亡くなり、 弟は図書館司書との淡い恋、鈴虫を小箱に入れて持ち歩く老人、文鳥の耳飾りの少女と出会いながら、「小鳥の小父さん」になってゆく。
世の片隅で、小鳥たちの声だけに耳を澄ます兄弟のつつしみ深い一生が、やさしくせつない会心作。


 シビレました。著者の人質たちの朗読会は、生涯ベスト3入りするほど良かったのですが、この「ことり」は、それを上回った。小川洋子さんとホントに相性が良いようです。

 人の言葉を話すことはできないけれど、小鳥と会話のできる兄と、その兄の言葉を唯一理解できる弟。肩を寄せ合いひっそり暮らす兄弟の傍らには、いつも小鳥たちがいました。

 “小鳥の小父さん”と呼ばれるようになる弟と、7歳年長のお兄さんの生涯の年譜が、しっかり頭に収まりました。まず、両親と暮らす子供時代。弟を介してしか人と意思の疎通ができない兄でしたが、弟は大事なことすべてを兄から教わった。小父さんにとって、お兄さんは何よりも大きな存在でした。

 両親が亡くなった時、お兄さんと小父さんは、29歳と22歳になっていました。ここから兄弟二人の時間が流れます。小父さんは働きながら、お兄さんの世話をする。早朝から庭に来る小鳥たちの世話、パン屋で買う昼食のサンドイッチに缶詰のスープ、夜、耳を澄ますラジオなど、心が浄化されるような描写です。お兄さんが安心して毎日を過ごすことだけに、小父さんは心を砕きます。

 そして、お兄さんが52才で亡くなった後、小父さんは15年ほどの歳月を過ごします。これまでにも、お兄さんとの静かな世界に、世間の風が吹き込んで来ることはありました。それでも、兄弟の信頼感という暖かで強い巣に守られていたのです。一人になった小父さんに、時折容赦のない現実が押し寄せて来ます。悪い人など一人も出てきませんが、皆が皆、世間と懸け離れたところにいる小父さんたちを暖かく見守ってくれるわけではなく、小父さんも辛く悲しい目に会います。ここに、ファンタジーではない物語の哀しさ、気高さがありました。

 やがて、小父さんの運命を一変させる事件が起ります。小父さんは、にわかに忙しくなった、からの文章に胸が踊りました。本当に嬉しいことが訪れたのです、、、、目は澄み、息は静かに、無心に幼稚園の鳥小屋を掃除する小父さん、こんなふうに生きたいとも生きられるとも思いませんが、それでも、こういう生き方がある、こういうふうに生きている人がいる、ことに癒されました。

 最後に、小父さんの思いが通じたのかどうか、心配になりました。最初のページに戻ってみたら、それはそれは見事に、小父さんの願いは叶っていた。ずっと手元に置いておきたい本になりました。


★次回は、三浦しをんの「舟を編む」です。

by cuckoo2006 | 2013-06-05 12:50 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(0)