小説、映画、絵手紙、都々逸
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皐月「みどり」えてがみどどいつ

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二人が出逢った五月になって街はみどりの風のなか
by cuckoo2006 | 2014-05-28 18:56 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

「ふがいない僕は空を見た」窪美澄[著]

a0163466_8321790.jpg内容紹介 高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。

 
 久々に先へ先へと気持ちが逸りました。5編の連作は語り手を変えながら進みます。

 登場人物の身に降り掛かる出来事は、今、この時代に起きていることばかり。衝撃度の高いニュースの発生現場を見る思いですが、それに関わるのはごくごく普通の人達。ワカルナア、という気持ちに随所で出会い、物語に引き込まれていきます。

 一番好きだったのは4編目の「セイタカアワダチソウの空」。中傷ビラをばら蒔く“あくつ”に幼馴染みの“福田”は手を貸してやる。二人には、その場所にいる者だけが共有する気持ちがありました。彼らに救いの手を差し伸ばす“田岡のある事情”も悲しいほど現実味があります。

 作者は崖っぷちでウロウロしている、まだ健全に生きるエネルギーを持つ者達を抱き留めるように描きます。

 1編目、2編目の、あんずと慶一郎夫妻は、もう崖の向こう側へ落ちているのかも知れません。「世界を覆フ蜘蛛ノ糸」でのあんずの素顔が愛しかった。エレベーターでの無言状態に耐えられず、同じマンションの主婦に「ブログ見てます」と話しかけギョッとされ落ち込むあんず。彼女は誘惑した“斉藤くん”に「もうお家へ帰らないとね」と小さなかたい声で告げます。

 助産婦の母を小さい頃から手伝ってきた“斉藤くん”は自然に人の体に触れたり気遣ったりすることができる。彼がストーブのように発する暖かさに皆が寄ってくるのも良く分かります。それはずっとあんずが求めて得られずにいたものでした。

 ふがいない僕は空を見た、という題名の文章は物語の中には出てきません。でも、まさにこのタイトルが全体の印象も読後感も見事にカバーしています。
by cuckoo2006 | 2014-05-26 08:55 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(0)

「休暇 Holidays」演出栗山民也

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 ローズ(保坂知寿)は乳ガンを患い、片方の胸を14年前に切除。その後、再発の不安を抱えながらも、夫アーサー(永島敏行)の愛情深い支えのもと、明るさとユーモアを失わず生きている。
毎夏のプロヴァンスでの休暇は、二人の絆を深める大切な時間だった。お互いの母親との確執、子供を持たなかった現実、何よりいかに「アイツ」と戦うかを悩み考えた夏の日々。
その「アイツ」が帰ってきた。それも肺に。その次は首に。
これまでの西洋医学の治療方法に疑問を抱いていたローズは、信頼するカウンセラーのすすめで彼女のコテージを借り、過去の本音を日々思いつくままテープレコーダーに喋り続ける。これからの治療に不可欠、とカウンセラーからの指示なのだが、それは現実を見つめ直す作業だった。
どんよりとしたヨークシャでの期間限定、一週間の隠遁生活が始まる。
ほどなくコテージのガスオーブンが壊れた。修理工のラルフ(加藤虎ノ介)がやってくる。
思いのほか、文学や哲学に広く知識を持ち熱く語るラルフに、少なからず心惹かれてゆくローズ……(地人会新社HPより)
作/ジョン・ハリソン
訳/水谷八也
演出/栗山民也
[配役]
保坂知寿:ローズ・ローストン
加藤虎ノ介:ラルフ・グレイリング
永島敏行:アーサー・ローストン


 たくさんのチラシの中からアンテナがキャッチしただけあります。ガツンと来ました。昨夏に訪れ、すっかり気に入った小劇場「赤坂レッドシアター」で上演中です。

 舞台は、ヨークシャーの閑静なコテージ。そこに登場する中年の夫婦、ローズとアーサー。夫婦が醸し出す、時を刻んできた安定感と同時に、ヒリヒリするような一触即発の感覚が伝わってきます。この舞台はアタリと直感しました。

 ローズはカウンセラーの薦めにより気持ちを整理するため、このコテージで一週間を過ごす。現在のこの場所に、夫婦が共に過ごしたプロヴァンスでの休暇の場面が差し挟まれます。

 ローズは一人過去を振り返る。「気持ちのわだかまりの源を探すのよね。それには、ママが死んだ16年前まで遡らなければ。いいえ、本当のことを言えばはもっともっと前からだわ、、、」自嘲ぎみに表されるローズの苛立ちと不安に共感します。

 そこへ三人目の登場人物ラルフがオーブンの修理にやって来ます。ローズとラルフは不思議に打ち解け合い、彼と語り合ううちに彼女は、夫アーサーの真の姿、また彼女自身の本当の気持ちと向き合い始めるのでした、、、

 「実在の人々の人生に聞き耳を立てているような感覚」とチラシにありますが、所々に自分の胸の内を見せられている気分にもなります。おお、ここにもこういう夫婦がいたか、と。愛という名のもとに繰り広げられる夫婦関係の難儀さは万国共通のものでしょう。

 ラルフとの出会いで一つ扉を開けたローズでしたが、いざ三人が対面してみると劇的な事は何も起らず、男たちは臆病な誠意を示すばかり。ローズは自分を連れ戻そうとしない夫を怒り出す始末です。

 そして、ローズは小さな決断をする。カウンセラーへの電話の最後のひと言も良かった。そう、それでいいのよ、と私もローズに呟いていました。


@赤坂レッド・シアター

by cuckoo2006 | 2014-05-18 13:43 | 舞台 | Trackback | Comments(0)

3分スピーチ@話し方教室「趣味」

皆さま、こんにちは。
今日のお題は、「趣味」。

「私の趣味は、都々逸です」
と言うと、十人中十人の方が「粋ですねえ!」とおっしゃいます。
私がやっていますのは、三味線に乗せて歌う粋な方ではなくて、都々逸を作る方です。

皆さまは、こんな都々逸を聞いたことがおありかも知れません。

 あなた恋しと鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身をこがす

都々逸というと、このように艶っぽい歌のイメージがありますが、私達の作っているのは、現代感覚の都々逸で、暮らしや気持ち、旅、自然、社会などを詠んでいます。

ご存じのように、俳句、川柳は五七五、短歌は五七五七七ですが、都々逸は七七七五の形をとります。
もう少し言いますと、最初の七は、三・四、2番目の七は、四・三、そして3番目の七は、三・四となっています。これが崩れますと破調となり調子が良くありません。

例えば、こんな唄も都々逸の型です。

 箱根八里は 馬でも越すが 越すに越されぬ 大井川
 箱根(3音)八里は(4音) 馬でも(4音)越すが(3音) 越すに(3音)越されぬ(4音) 大井川(5音)   

また、舟木一夫の「高校三年生」の歌詞の出だし、

 赤い夕陽が校舎を染めて楡の木陰で弾む声   

これも都々逸の型をとっています。この形は昔から日本語に合うリズムと言われ、耳馴染みが良いのです。

そして、私が「話し方教室」に入会した理由も、趣味の都々逸にあります。
歌会で選者を務める際に、大勢の前に出て話すことが、あがり症の私には大変苦痛でした。
下を向いたままの早口で、頭の中はこの場を1秒でも早く逃げ去ろうということばかり、、、
このままではまずいと3年前に教室の扉を叩き、学び始めました。
今では前日から胃が痛くなることもなく、人前で話すことが苦しみではなくなってきました。
「ここでは、たくさん恥をかきましょう!」といつも言ってくださる先生のお蔭です。

最後に、最近つくりました私の都々逸を紹介させていただきます。歌の舞台はこの墨田区辺りです。

 地図を広げた外人さんに下町小さな輪ができる

ありがとうございました。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
2011年8月 3才のハル(現在5才9か月)

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by cuckoo2006 | 2014-05-10 20:01 | 3分スピーチ@話し方教室 | Trackback | Comments(2)

皐月「かぶと」 えてがみどどいつ

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父が両手でかぶせてくれた大きな兜の新聞紙
by cuckoo2006 | 2014-05-03 17:41 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)