小説、映画、絵手紙、都々逸
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師走「水仙」えてがみどどいつ

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静か過ぎると心配されて時どき生きてる音を出す

by cuckoo2006 | 2017-12-27 15:43 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

師走「魚偏漢字湯呑み」えてがみどどいつ

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遠慮するなと息子が笑う真ん中あたりの寿司を食う

by cuckoo2006 | 2017-12-23 14:44 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

師走「蛇口」えてがみどどいつ

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背中が湯気出す朝練習は蛇口が包帯巻いている

by cuckoo2006 | 2017-12-17 17:34 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

「一年の終わりに 狂歌」3分スピーチ

皆さま、こんにちは。
今日のテーマは「一年の終わりに」です。
そこで、私が一年の終わりに作る狂歌のお話をいたします。

皆さま、狂歌ってご存じでしょうか。
狂歌とは、社会風刺や皮肉、滑稽を盛り込んだ五・七・五・七・七の形でつくる和歌短歌のことです。江戸時代に大流行しました。

私は雑俳と呼ばれる言葉遊びの会に参加しています。
雑俳は「ざっぱい」と読みます。
雑俳には、川柳、洒落付け、語呂合わせ、都々逸など様々なジャンルがあります。
雑俳も江戸時代に生まれた庶民の遊びです。

雑俳の会では毎回色々なお題が出されます。
頭を絞って考え、いい句がひらめいた時は嬉しいものです。
一年の終わりの12月の句会には、今年一年に起こった出来事を詠み込む狂歌が出題されます。

狂歌は万葉集からの有名な歌の一部を変えて作ったりします。
また、掛詞(かけことば)の技法を使うことも多いです。
掛詞の技法とは「その手は桑名の焼きハマグリ」などというものです。
 
皆さまもきっとお聞きになったことがある、狂歌の名作を一つご紹介します。

白河の 清きに魚(うお)も 住みかねて もとの濁りの 田沼恋しき

これは魚の住む「田沼」と江戸幕府老中の「田沼意次(おきつぐ)」が掛けられています。
汚職がはびこっていても田沼意次時代の方が自由で豊かで暮らしやすかった、今の松平定信は窮屈でヤだねえ、などという庶民の本音が込められているのでしょう。
こんなふうに狂歌を作ることで御上への鬱憤を晴らしていたのかも知れません。

では最後に、私が作りました今年一年の出来事を詠んだ拙い狂歌を三つご紹介します。

一年の 終わりの手締め 上野から 幸せ響くヨーオシャンシャン
(手締めのシャンシャンとパンダの赤ちゃんのシャンシャンが掛かっております)

お次はノーベル文学賞。村上春樹ファンの心境です。

ハルキスト ディラン・ショックも 癒えぬまま もう慰め聞カズオ・イシグロ
(去年はボブ・ディラン、今年はカズオ・イシグロの手に・・・)

一番最後は、貴乃花親方派の立場から作りました。

礼節は モンゴル会の 出席と けして白鵬破らざること

いかなる理由も暴力を肯定することはできません。


ありがとうございました。

♬♬♬ ♪♪♪ ♫♫♫ ♪♪♪ ♬♬♬ ♪♪♪ ♫♫♫ ♪♪♪ ♬♬♬
 
今日のハル
「ヨルはカーチャンの膝の上がボクの定位置さ」
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by cuckoo2006 | 2017-12-09 21:14 | 3分スピーチ@話し方教室 | Trackback | Comments(0)

師走「落花生」えてがみどどいつ

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埃まみれのお役目終えた消化器外して十二月

by cuckoo2006 | 2017-12-04 16:14 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

師走「かぼちゃ」えてがみどどいつ

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今年の苦労をたっぷり吸って家計簿分厚い十二月

by cuckoo2006 | 2017-12-02 15:58 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(0)

「澪木」朴重鎬[著]


 d0074962_15010304.jpg『「北」への帰国とは何だったのか。祖国・北朝鮮へ帰国した弟夫婦の惨憺たる生活、子どもたちを民族学校から日本の学校へ転校させる姉夫婦、そして「愛国組織」──。一人の女性の生に在日同胞の現代史を集約して描く力作長篇小説。』(帯より)




 読んでいて楽しくなる本ではありませんが、強く引き込まれました。時代は1950年代後半、主人公の明姫(ミョンヒ)は東京にある民族学校の教師。「愛国事業」に関わる編集者の夫、一歳の娘と暮らしています。朝鮮料理店を営む明姫の両親は濃密な愛情を子供達に注いでいます。

 

 明姫の日常生活を通して「愛国組織」への忠誠と同胞達との肉親のような絆が描写されます。日本という国に住みながら祖国・北朝鮮の一員としての強固な価値観を持つ人びと。彼等の内面を始めて知る思いでした。

 

 私達と懸け離れた世界にいる明姫ですが、妻、母、娘としての思いは当たり前過ぎるほど普遍的です。実家を助けることについての夫への遠慮、両親が自分を頼り切っていることへの気の滅入り、乳飲み子と保育園で別れる切なさなど身に覚えのある感情が沸き上がります。作者が男性であることが信じられないほど明姫の揺れ動く胸の内にリアリティがありました。


明姫は弟の面倒を見ながらも、おとなし過ぎる性格に不甲斐なさを感じています。その弟が、亡くなる前のオモニ(母親)の世話を買って出ます。病院の暗い小部屋で死を待つオモニ。弟の優しさが明姫の心を救います。強く印象に残る場面でした。


オモニの死後、父と弟は祖国への帰国を決めます。これが彼等にとって未来の開ける、正しい選択と信じ送り出す明姫。彼女は心に重りをつけたように苦しむことになります。


祖国での苛酷な生活は、弟家族からの手紙文ですべて表現されます。手紙は毎回、生活の苦しさを嘆き、時計、ミシン、靴などを送ってくれという訴えで占められます。弟家族の叶えられない願いは次第に怒りを含んだものに変わっていきます。


弟一家へ心配と同情を深めながらも、それらの手紙は明姫の心を彼等から遠ざけます。夫の看病のため教員を辞め北海道で暮らす明姫の生活も厳しいものでした。現実感にあふれた双方の心理描写に胸が塞がれます。

 

 物語の中には日本人がほんの僅かに登場します。明姫の近所の日本人主婦達は軸のない、ふわふわとしたお気楽な存在に描かれます。仲良くしていても明姫と彼女達の間には、はっきりと一線が引かれていることが感じられます。

 

 もう一人終盤に登場する、夫の子供の頃からの知り合いの「森田の小母さん」。彼女はお裾分けや心付けを申し訳なさそうにそっと置いておくような心根の優しい人。日本人読者としては彼女の存在に救われます。


日本で生きていく以外に道はない明姫夫婦は、娘達を民族学校から日本の公立小学校へ転校させることを決意します。民族学校の寄宿舎から娘達の荷物を夫婦が運び出すところで物語は終わります。


重く暗い題材ですが、「いじいじ考えてばかりいて何もしないでいるのは性に合わない」明姫の気質が物語を支えています。

 

 生まれ育った日本と祖国に引き裂かれながら人生を歩む主人公。その心の深淵に少しだけ触れる思いで本を閉じました。


by cuckoo2006 | 2017-12-01 18:15 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(0)