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「プレシャス」 監督リー・ダニエルズ

プレシャス」  

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ストーリー
1987年のニューヨーク・ハーレムで、両親の虐待を受けながら希望のない日々を生きる黒人少女プレシャス。レイン先生に読み書きを習い、つたない文章で自分の心情を綴り始めたプレシャスは、ひたむきに人生の希望を見出していく。サファイアの小説「プッシュ」を、「チョコレート」で製作を務めたリー・ダニエルズが映画化。マライア・キャリー、レニー・クラビッツ、ポーラ・パットンらが出演。2009年のサンダンス映画祭でグランプリ、第82回アカデミー賞で助演女優賞と脚色賞を受賞した。
キャスト
ガボリー・シディベ、モニーク、マライア・キャリー、レニー・クラビッツ、ポーラ・パットン
(eiga.comより)


 この作品も2010年度アカデミー作品賞受賞作品の一つ。一騎討ちと言われた「ハート・ロッカー」と「アバター」よりも私は断然こちらの方が好きでした。

 黒人の少女プレシャス(ガボリー・シディベ)は16歳の中学生。そして実の父親の2人目の子供を妊娠中。一緒に暮らしている母親(モニーク)からは、自分の男を誘惑した許せない女、として虐待を受けています。この凄まじい状況がプレシャスの日常の生活です。

 そんな悲惨な毎日を暗く沈み切った目で過ごすプレシャスですが、彼女の胸の中には未来を夢見る微かな希望の光が点っています。質素に片づけられた2階の部屋で巻くカールの前髪にポニーテール、巨体を包む今時のファッションにリュックを背負う姿がいじらしく可愛い。普通のティーンエイジャーです。
 
 しかし、妊娠していることが学校に発覚してしまったプレシャスは、退学処分となり「代替スクール」へ転校することになります。プレシャスにとって家庭は“地獄”なのですが、外で出会う大人達は皆実に公平な態度で彼女に接します。アメリカの公的教育機関の底力のようなものを感じました。
 
 この「代替スクール」の小さな教室で、レイン先生(ポーラ・パットン)と少女達が顔を合わせる最初の授業シーンは沁みます。不貞腐れながらふざけながら照れながら自分を短く語る少女達。好きな色、得意なことを答えていく少女達に涙が出てきました。それぞれが自分のささやかな居場所を見つけプレシャスの人生もここからゆっくり前に進み始めるのですが・・・

 終盤、プレシャスと彼女の母親が、カウンセラー(マライヤ・キャリー)と3人で面談する場面は圧巻です。激白する母親に、彼女が演技をしている、という事実が飛んで行ってしまいました。初めて母親の胸の奥にあるものを受け止めた彼女が自分自身の運命に向き合った瞬間のように見えました。ラストシーンには、プレシャスの決意を感じました。子供たちを自分の手で守る、という決意を。それはプレシャスの母親が成し得なかったこと。プレシャスの後ろ姿に、「すべての愛しい女の子たちのために」というメッセージが被さりました。


@シネ・シャンテ
by cuckoo2006 | 2010-05-25 18:54 | 洋画 | Trackback | Comments(0)
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