絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
by cuckoo2006
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「オーケストラ!」監督ラデュ・ミヘイレアニュ

オーケストラ!」    

「オーケストラ!」監督ラデュ・ミヘイレアニュ_a0163466_23352417.jpgストーリー
1980年、ロシア・ボリショイ交響楽団から多くのユダヤ人が連行され、それに反対した天才指揮者のアンドレイも楽団を解雇されてしまう。アンドレイはいつか復職する日を夢見て、30年にもわたり劇場清掃員として働いていたが、ある日パリのシャトレ座から送られてきた出演依頼を見つけ、偽のオーケストラを結成することを思いつく。主演はロシアの名優アレクセイ・グシコフ、共演に「イングロリアス・バスターズ」のメラニー・ロランほか。
キャスト
アレクセイ・グシュコブ、ドミトリー・ナザロフ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン、ミュウ=ミュウ、バレリー・バリノフ、アンナ・カメンコバ、リオネル・アベランスキ、アレクサンダー・コミッサロフ、ラムジー・ベディア(eiga.comより)


 クラシック好きの友達とコンサートに行った時、演奏が始まる前に彼女が、管弦の音色を聴いていると脳の襞の隅々までを小さなブラシで掃除されている感覚がする、と言っていたことを思い出しました。

 舞台は、モスクワ。かつてはボリショイ交響楽団の天才指揮者と言われたアンドレイは、30年前のある事件をきっかけにその座を引きずりおろされ今は劇場の清掃員として働いています。支配人の部屋の清掃中、偶然一枚のファックスを目にした彼は、失った栄光を取り戻すため、偽のボリショイ交響楽団としてパリのシャトレ座に乗り込むというトンデモナイ決意を固めます。今は救急車の運転手をしているチェロ奏者のサーシャと共にアンドレイはかつての仲間達にもう一度オーケストラに戻るよう説得に走り回ります。

 ロシア語が飛び交うモスクワ市街の前近代的な様子に、これは多分20年位前の設定だろうと思い込んでいたのですが、いきなりサッカー選手“メッシ”の名前が出て来て、あ、ここは現代なんだ、と気づきました。活気があるようには見えない党の集会があちこちで行われ街全体に政治が色濃く渦巻いています。アンドレイの妻は共産党の立会演説会のサクラ集めを請け負っています。後半は舞台がパリに移るので尚更モスクワの街の垢ぬけない雰囲気がリアルでした。

 パリについてからは、練習そっちのけで好き勝手する楽団員達がコミカルに描かれやや散漫な印象。ここでバイオリン奏者アンヌ=マリー・ジャケが登場します。彼女がアンドレイの楽団に隠されていた歴史を解くキーパーソンとなります。ラストの12分間は、チャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」。何かに衝き動かされるようなアンヌのバイオリン・ソロに、アンドレイの渾身の指揮、一体となったオーケストラと観客に、やっぱり音楽っていいなあ、人間っていいなあ、と思わせてくれました。作品自体は、“感動”というのにはもう一歩、というのが正直な感想ですが、私の脳味噌のチリとホコリも管弦楽器の繊細なブラシが綺麗に払ってくれました。


@銀座シネスイッチ
by cuckoo2006 | 2010-06-27 14:29 | 洋画 | Trackback | Comments(0)
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