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「死の教訓」ジェフリー・ディーバー[著]半月の夜、暴行を受けた女子大生の死体が池の畔で発見された。現場に残された書き置きは捜査主任ビル・コードを名指しで次の犯行を示唆しており、血で描かれた半月が町の建物六ヵ所に一夜にして出現した。“ムーン・キラー”の凶行を恐れ、町はパニックに陥る。ノンストップ・サスペンスの王者が放つ衝撃作。(文庫本裏表紙より)
イマイチでした。これはお薦めできません。 ジェフリー・ディーバーと言えば、ジェットコースター・サスペンス、どんでん返しに次ぐどんでん返しのノンストップ感覚を味わえるのが魅力。私はリンカーン・ライム・シリーズの「ボーン・コレクター」を読みましたが、これは面白かった。事故の後遺症のためベッドの上から女性部下に指示を与え捜査に当たるライム。積み重ねた経験と緻密な分析により凶悪知能犯を追い詰めていきます。そのライムの深夜の病室に近づく犯人の足音・・・・ハラハラドキドキの臨場感いっぱいでした。 海外ミステリーは登場人物がかなり多いこともあり、前半はなかなか読み難い。でもその甲斐あって最後の最後まで犯人の予想はまるでつきません。ほんの些細な手懸りから犯人のシルエットがぼんやり浮かび上がったと思いきや、またそこから読者の裏の裏をかく。そして遂に明かされる驚愕の真相。この最後の数十ページを捲っていく快感ったらありません。 「死の教訓」は、キレがありませんでした。目次のあとの“登場人物一覧”を何度も確認に戻った人間関係はゴタつき、唐突に現れた犯人の輪郭ははっきりせず、物語のキーとなる“現場”の状況はもうひとつくっきり浮かんで来ない。父と息子の確執というトマス・クックばりのテーマも中途半端でした。まあ、図書館予約本の「マザーズ」に割り込みされたのもこの本の不運だったのですが。海外ミステリー読了後のいつもの爽快感に欠けました。 ジェフリー・ディーバーがいったいどうしたことか、と顰め面のまま訳者解説を読むと、謎が解けました。本書はブレイクする前のディーバー作品、だったのです。ここから一皮も二皮も剥けていったのですねえ。超一流のディーバー氏のモッサリしてる頃に出会え、なんだか親近感が湧いてきました。 ★次回は、映画「サラの鍵」です。
by cuckoo2006
| 2012-02-10 12:34
| 海外ミステリー
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Comments(3)
Commented
at 2012-02-14 00:05
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
cuckoo2006 at 2012-02-16 14:31
tomoさん、こんにちは。
父は話好きでしたので元気でいたらどんなに喜んでお喋りしたと思うのですが今はとてもご期待に添えず残念です。私も「三人は帰った」の記事に書いてあることの他は何も存じませんので。お役に立てずごめんなさいです。
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Commented
at 2012-02-16 20:46
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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