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「ライフ・オブ・パイ」監督アン・リー

解説d0074962_15575989.png カナダ人作家のヤン・マーテルが2001年に発表し、ブッカー賞を受賞した世界的ベストセラー小説「パイの物語」を、「ブロークバック・マウンテン」「ラスト、コーション」のアン・リー監督が映画化。乗っていた貨物船が遭難し、一匹のトラとともに救命ボートで漂流することになった少年パイのたどる運命を描く。1960年インド・ポンディシェリに生まれた少年パイは、父親が経営する動物園でさまざまな動物たちと触れ合いながら育つ。パイが16歳になった年、両親はカナダへの移住を決め、一家は動物たちを貨物船に乗せてインドをたつが、洋上で嵐に遭遇し貨物船が沈没。必死で救命ボートにしがみついたパイはひとり一命を取りとめるが、そこには体重200キロを超すベンガルトラがいた。(映画.comより)

 面白かった!最初から最後まで心がスクリーンからぴったり離れませんでした。動物好きには堪らないシーンが一杯で、またそれがCGと分かっているので安心して楽しめます。

 トラと漂流することになるまでの、パイ少年のインドでの家族との時間が描かれるのも良かった。貧しい生い立ちから進取の気性を持つ父とその父の理解者である知的な母の愛情に育まれ、パイは冒険心いっぱいに強く賢く成長します。優等生タイプの兄と反対に無謀なほど生きるエネルギーに溢れるパイ。彼だからこそ、トラとの漂流を生還できたのだと納得してしまいます。

 動物園の閉園を決め、動物達と共に貨物船に乗り、カナダへ向かう一家。しかし夜半の嵐により貨物船は転覆してしまう。波間に漂う救命ボートに辿りつくことができたのは、パイ少年のほかは、負傷したシマウマ、生まれたばかりの子供とはぐれたオラウータン、何としても生き延びようとするハイエナ、そして、“リチャード・パーカー”の名を持つベンガルトラでした、、、、、、

 救命ボートに陣取るトラと、ボートに繋いだイカダの上で過ごすパイ。太平洋のど真ん中、大自然の脅威に晒されながらの両者の攻防。このトラにはかなり心引かれました。トラだって大海の小舟の上で自分に何が起きているのか解らなかっただろうし、どんなにか不安だったことでしょう。腹を空かせたトラが、思わず海面近くの魚めがけて飛び込み狩りをするのですが、その後自力ではボートに上がって来られない。小船の横腹に爪をかけてキコキコする切なそうなトラの大きな顔。オールで打ちのめそうとするパイでしたが、そのオールでトラを引き上げてやるのでした。

 物語は、大人になったパイが、作家志望の青年に漂流の話をする形で進んでいきます。考えてみれば有り得ない話なのですが、最後にパイが青年に語る生還後の話の中の“ある仕掛け”が、物語に現実味を増してみせます。

 トラが弱り切った後、パイとトラが無人島に辿り着いて以降は、パイの妄想なのでは、と私は感じました。それから、シマウマとオラウータンとハイエナはあまりに象徴的な存在で、これはパイが保険の調査員にした二番目の話が事実のように思えます。そして、確かにトラは居た、のだと。敢えてどこまでが事実なのかをはっきりさせないことが物語の魅力をぐんと高めます。いろんなことが頭を駆け巡りながら不思議に愉快な気持ちで映画館を出てきました。


@TOHOシネマズ西新井


★次回は、木内昇の「浮世女房洒落日記」です。

by cuckoo2006 | 2013-02-20 12:33 | 洋画 | Trackback | Comments(2)
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Commented by きぬえ at 2013-03-02 09:31 x
観てみたくなりました~、(*^。^*)
Commented by cuckoo2006 at 2013-03-02 16:50
3Dで観た「アバター」より、2Dで観た「ライフ・オブ・パイ」の方が私はずっと良かったです。原作はもっと想像力をかきたてられそうですね♪
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