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「日本のいちばん長い日」監督原田眞人

a0163466_8543854.jpg解説 昭和史研究の第一人者・半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」を、「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」の原田眞人監督が映画化。1945年8月15日に玉音放送で戦争降伏が国民に知らされるまでに何があったのか、歴史の舞台裏を描く。太平洋戦争末期の45年7月、連合国軍にポツダム宣言受諾を要求された日本は降伏か本土決戦かに揺れ、連日連夜の閣議で議論は紛糾。結論の出ないまま広島、長崎に相次いで原子爆弾が投下される。一億玉砕論も渦巻く中、阿南惟幾陸軍大臣や鈴木貫太郎首相、そして昭和天皇は決断に苦悩する。出演は阿南惟幾役の役所広司、昭和天皇役の本木雅弘をはじめ、松坂桃李、堤真一、山崎努ら。(eiga.comより)
キャスト
役所広司 阿南惟幾
本木雅弘 昭和天皇
松坂桃李 畑中健二
堤真一  迫水久常
山崎努  鈴木貫太郎

 この映画は観たいというよりも今観ておかなければという思いでシネコンへ向かいました。

 1945年4月、鈴木貫太郎が昭和天皇に「どうか気持ちを曲げて受けてほしい」と直々に総理大臣就任を頼まれる場面からドラマは始まります。この時鈴木は77歳。歴代総理就任時の最高年齢でした。

 「大変なことになった」と家族にこぼす鈴木に長男は仕事を辞め父の秘書官になると申し出ます。家族も2・26事件で瀕死の重傷を負いながらも生還したオジイチャンなら大丈夫と努めて明るく受け止めます。鈴木貫太郎と阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣の家庭生活が折り目正しくもほのぼのと挟み込まれ身近に感じられます。

 7月、ポツダム宣言受諾の要求に連日連夜、閣議が紛糾する場面では、現在迷走中の東京五輪の国立競技場とエンブレム問題がどうしても重なってきます。責任を取る覚悟のあるリーダーが一人もいない。今の日本で重大局面を迎えた時、命を賭して事を行える政治家なんているのだろうか?スクリーンを眺めながら、そちらの方で背筋が寒くなりました。

 無条件降伏を受諾するか否か閣議の結論が得られないまま、8月6日広島、8月9日長崎に原爆が投下されます。戦争終結に向けて天皇の聖断を求める首相官邸と本土決戦へ突き進む陸軍。めまぐるしく同時進行する数日間の舞台裏が臨場感を持って描かれます。

 「総辞職など有り得ない。この内閣で戦争を終わらす。ロシアが加わる前に相手がアメリカのうちに始末しなければならない」と軍部強硬派からの私刑を覚悟し法を破っても戦争を終わらせようとする鈴木貫太郎。陸軍大臣を辞任する道を断ち終戦の詔勅に署名した阿南。その後、阿南は部下の介錯を断り自ら壮絶な最期を遂げます。

 胆の据わり方が違う人間があの場に居たことが良く解りました。一方で、それほど胆が据わってない普通の人々の行動も印象に残りました。青年将校に対し、玉音放送のテープを隠し持つ侍従達の言葉の機転や放送局員のとっさの判断などたくさんの人々の力がありました。

 元木雅弘演じる昭和天皇は、その口調や物腰が文句のつけようがないほど見事です。でも、天皇はやはり映画の中の天皇だった。もちろん他の登場人物も映画映えするように描かれてはいるとは思いますが天皇にはダイレクトにそれを感じました。2006年のロシア制作「太陽」の中のイッセー尾形の演じた昭和天皇が私の中で色濃く残っています。

 国政を担う方々に是非見ていただきたい映画。戦争は絶対に初めてはならない、というのが感想のすべてです。


@TOHOシネマズ西新井
by cuckoo2006 | 2015-09-11 13:01 | 邦画 | Trackback | Comments(0)
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