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「さざなみ」監督アンドリュー・ヘイ

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「解説」長年連れ添った夫婦の関係が1通の手紙によって揺らいでいく様子を通し、男女の結婚観や恋愛観の決定的な違いを浮かび上がらせていく人間ドラマ。結婚45周年を祝うパーティを土曜日に控え、準備に追われていた熟年夫婦ジェフとケイト。ところがその週の月曜日、彼らのもとに1通の手紙が届く。それは、50年前に氷山で行方不明になったジェフの元恋人の遺体が発見されたというものだった。その時からジェフは過去の恋愛の記憶を反芻するようになり、妻は存在しない女への嫉妬心や夫への不信感を募らせていく。「スイミング・プール」のシャーロット・ランプリングと「カルテット!人生のオペラハウス」のトム・コートネイが夫婦の心の機微を繊細に演じ、第65回ベルリン国際映画祭で主演男優賞と主演女優賞をそろって受賞した。(eiga.comより)


 一言では感想が言い表せない映画でした。

 土曜日に結婚45周年パーティを控えた夫婦のもとに、月曜の朝、
夫が、妻と出会う前に付き合っていた恋人が事故で落下した氷山の中、当時の姿のまま発見されたという知らせが入ります。

 心身ともに眠り込んだように暮らしていた夫の心は大きく揺れ出します。病後の夫に寄り添うように過ごしていた妻の心にもさざなみが立ち始めます。

「My〇〇(恋人の名)」と言ってしまったこと。
「もし事故がなかったら彼女と結婚した?」という妻の二度の問いかけに二度とも
「YES!」と答えてしまったこと。
デリカシーに欠けた夫の致命的なミスに妻の心のさざなみは大きく広がります。

 美しさの面影を残しながらも、鏡には夫と出会ってから半世紀を刻んだ自分自身が映ります。そこへ氷の中で眠った20代のままの夫の恋人が登場する。あまりに良くできた残酷過ぎる設定です。

 心に空洞を抱えたまま生きている夫の目の前に、輝いていた過去が現れる。夫の心は一気に恋人の眠るスイスの氷山へと飛んで行ってしまいます。

 そして、迎える結婚45周年パーティ。夫の感動的なスピーチの後、夫婦は結婚式の時と同じ曲でダンスをします。ラストシーンの妻は・・・あれこそ現実でしょう。

 一緒に観た性格が男前の友人は、スイスになどいくらでも行かせてやれば良い、という意見。私は全く不本意ながら、妻の言動のすべてに共感してしまいました。

 老後はそれでなくても病気など苦労の種があるのだから、出来得る限り夫婦間に無用な波風を立ててはならない。墓場まで持っていく言葉を口にしてはならない。それが最低限にして最大限の相手への愛である、というのが一番の感想になりました。

@銀座シネスイッチ

by cuckoo2006 | 2016-05-21 13:17 | 洋画 | Trackback | Comments(0)
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