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「つまをめとらば」青山文平〔著〕

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内容紹介

女が映し出す男の無様、そして、真価――。

太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。

身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか――。

時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。

「ひともうらやむ」「つゆかせぎ」「乳付」「ひと夏」「逢対」「つまをめとらば」

男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。


 六篇から成る短編集。

タイトルの「つまをめとらば」は、2015年下半期の直木賞受賞作品。上半期は、ご存じ芥川賞・又吉直樹の「火花」の回でした。


 淡々とした出だしの時代小説はずいぶん地味に感じられ、‟火花フィーバー”の後の控えめな登場も、この本の持ち味になるほど。静かな存在感が残りました。


 どの主人公も押しが弱く気が優しく、平穏と分相応を第一に生きています。野心や出世とは無縁なのですが、自分の中に譲れないものもある。イイ人揃いの主人公達を気持ち良く読みました。


 一篇目は「ひともうらやむ」。庄平は藩主を間近で守る番氏。庄平の幼馴染・克己が射止めた世津は、ただ美しいのではなく、男という生き物のいちばん柔らかい部分をえぐり出して、ざらりと触ってくるほどに美しい娘だった。庄平が嫁に迎えた康江の顔かたちは世津に及ぶべくもないと感じていたが、共に暮らすうちにいつしか庄平は康江と世津を比べなくなっていた。その後、それぞれの夫婦に起こる思ってもいなかった出来事・・・男達が決して口にはしない胸中に引き込まれます。


 二篇目は、妻を失った俳諧師が宿場女の逞しさに自らの詩材の狭さを思い知る「つゆかせぎ」。三篇目は、唯一女性が主人公の「乳付」。続いての「ひと夏」、「逢対」は少々甘くいい話になり過ぎたように感じましたが、最後の「つまをめとらば」は秀逸です。


 幼馴染の省吾と貞次郎が再会する。二人とも今は奉行のお役目を引退した独り身。ひょんなことから男二人が親しく暮らす中、それぞれに歩んできた道に関わり合った女達を振り返る。ーーふつうの女など、いない。ふつうを求めているとすれば、それは危ういーー三人の妻に翻弄された省吾の言葉には真実があります。そんな二人の前に、過去に彼等の心を深くとらえた佐世が現れる。佐世は以前とはすっかり変わった姿でした。佐世と言葉を交わしたことを切っ掛けに彼等はそれぞれの今後の人生に心を定めます。


 「やっぱり、省ちゃんは餓鬼大将で、俺は使いっ走りだ」

 んなことは、ない。

 ぜんぜんない。


 こんな終わり方もとても良かった。


 曲げることの出来ない自分の中の小さな正義。それが人の心に平安をもたらすのだとそれぞれの主人公に感じました。共感しました。


 「つまをめとらば」は1時間ちょっとで読めます。あっさりしていて恐くて深い。なつやすみにお時間があれば是非!




by cuckoo2006 | 2016-07-30 15:28 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(2)
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Commented by saheizi-inokori at 2016-07-30 21:26
落選作品を読んだ義理?こっちも読んでみたくなりました。
Commented by cuckoo2006 at 2016-07-31 10:16
saheiziさん、「つまをめとらば」の読み始めは、藤沢周平を連想しました。選考委員からもそんな声が出たようです。「戦場のコック」深緑野分〔著〕、とても面白そうですね♪
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