絵手紙に自作の都々逸を載せています。小説と映画の感想も。
by cuckoo2006
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「幸せなひとりぼっち」監督ハンネス・ホルム

「幸せなひとりぼっち」監督ハンネス・ホルム_d0074962_15353745.jpg

解説
孤独な老人が隣人一家との触れあいを通して再生していく姿を描いたスウェーデン発のヒューマンドラマ。世界的ベストセラーとなったフレドリック・バックマンの同名小説を映画化し、スウェーデンで大ヒットを記録した。愛する妻に先立たれ、悲しみに暮れる孤独な毎日を送っていた老人オーベ。そんなある日、隣の家にパルバネ一家が引っ越してくる。車のバック駐車や病院への送迎、娘たちの子守など、何かと問題を持ち込んでくるパルバネたちにうんざりするオーベだったが、次第に彼らに心を開くようになり、やがて妻との思い出を語りはじめる。「アフター・ウェディング」のロルフ・ラスゴードが主人公オーベを好演。スウェーデンのアカデミー賞と言われるゴールデンビートル賞で主演男優賞と観客賞をダブル受賞した。(eiga.comより)

 
 スウェーデン国民の5人に1人が見たという記録的大ヒット作品。心がラクになるような後味の良い映画でした。

 妻に先立たれ、会社をクビになったオーベは、近隣でも偏屈者として煙たがられています。もうこの世におさらばしようと決めたオーベの家の隣に、イランからの移民一家が越してきます。3人目を妊娠中の妻パルバネは、人とのコミュニケーションにおいて、一瞬ためらう、やる前に迷う、という事が一切ありません。親切は考えた末にやめてしまう私にとって、パルバネの真っ直ぐさは衝撃的です。遠慮などしてたら生きてはいけないし、生き抜くためにオーベの本質を見抜く目も持っていたのでしょう。

 オーベが死のうとすると、若き日の幸せだった自分と妻の映像が蘇ります。大体それは隣の一家に邪魔されて現実に戻るのですが、死のうと思っていた数分後には、もう怒ったり駆け出したりしている。人の気持ちって本当にこんな風です。ちょっとお茶を飲んだり、ちょっと外へ出たりすると、さっきまでの絶望的な気分はどこかへ行ってしまう。またその反対に、体をぶつけ合って笑っていたオーベとパルバネが、どちらかの一言で瞬く間に険悪な雰囲気になる。そしてその後、また気分は変わります。人の暮らしって、人生って、だましだましだなあとつくづく思います。

 正論ばかり振り回す、出来ることなら近づきたくないオーベに、周りの人達が優しいのはきっと亡妻ソーニャが積み上げた遺産でもあったのでしょう。そして、オーベの最期にパルバネがすぐに気づいたのは、オーベが毎朝欠かすことがなかった日課のせい。それはオーベがこの世をより良く生きた証のようでした。そしてオーベの胸の上で彼を見守っていたもの、それも彼がこれまでの人生をどんなふうに生きてきたかを物語っていたのでした。


@ヒューマントラスト渋谷

by cuckoo2006 | 2016-12-29 17:15 | 洋画 | Trackback | Comments(0)
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