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「畳替え」エッセー@文章教室畳替え 昨年末、畳を替えた。今の住まいに移り十年になる。畳も古くなった。お正月にはヨチヨチ歩きの孫も来る。嬉しい気分でパンフレットを眺め、選んのだのは新しいタイプの畳である。一枚一枚が半畳で縁がない。イ草ではなく和紙で出来ている。洋風の感覚が気に入った。事前の部屋の採寸を経て、当日は古い畳を運び出し新しい畳を入れる短時間で済んだ。拍子抜けするくらい簡単だった。 私の子供時代には畳替えというと、それは大変なものだった。家の全部が和室という家がほとんどだったのである。 私は新宿区東大久保で育った。父の勤める会社の社宅に三歳から、その社宅が取り壊される小学校六年生まで暮らした。 NHKや化学会社の社宅に住んでいる同級生もいた。新宿にまだ社宅があった昭和三十年代から四十年代初めの頃のことである。 NHKなどの社宅は当時にしては新しい白い三階建てだった。一方、私が住んでいた社宅は路地に沿って平屋建ての家がずらーっと並んでいた。モルタルではなく古い板張りだった。 道路を挟んだ向かい側には裁判所の官舎が建っていた。こちらの社宅二軒分の間口が向こう側の家一軒分の広さだった。裁判所の子の家に遊びにいくと庭も広く子供心にも今で言う格差を感じたものである。 その社宅と官舎の間の道路で年齢もばらばらの友達と来る日も来る日も遊んでいたのが私の子供時代だった。 さて畳替えの話である。何年かに一度、社宅の畳替えが行われる。二組の畳職人が路地の端と端から畳替えに取り掛かる。一日に一軒ずつ中央に向かって進んでいくのだ。 畳職人が庭に外した畳を並べ、大きな針で肘をごりごりと使いながら畳表を縫い付けていく。子供にとって職人さんの動作は面白い。けれども近寄ると危ないので怒られる。 「今日、畳屋さんは○子ちゃんと○夫君の家にいるから明後日くらいがウチかな?」 畳替えの進み具合を子供達は興奮して話し合った。 いよいよ我が家の日になると母が畳屋さんにお茶やお菓子を出す。そのおこぼれをいただくのも嬉しい。家中の畳が新しくなると大人も子供も華やいだ気持になった。畳替えは子供にとってワクワクする一大イベントだったのである。 新しい畳は和紙で出来ているのでイ草独特の良い匂いはしない。それでも替えたばかりの畳が目に入ると気分が新たになる。今年が佳い年になるような気がしてくるのだ。
by cuckoo2006
| 2018-02-03 15:39
| エッセイ@文章教室
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Comments(6)
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sheri-sheri at 2018-02-16 10:25
フォローさせていただきました!
0
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cuckoo2006 at 2018-02-17 16:31
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exarakant at 2021-04-05 14:01
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cuckoo2006 at 2021-04-06 12:11
exarakantさん
1年間だけ通った近所のカルチャーの文章教室で書いたエッセイもどきです(^^; ブログの左にある「カテゴリー」の中の「エッセイ@文章教室」をクリックしていただくと4つほど出てきます。 あらかんとさんに誉めていただいたので、「三宅義信選手はつこい物語」、折を見て再掲載しようかな(^^;
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exarakant at 2021-04-07 11:29
ぜひぜひ再挑戦してください。
エッセイもどうぞ自信を持ってどんどん書きましょう。 Cuckooさんのお書きになるものは、ちょっと素地からして違うぞと思っておりました。 とにかく書いて書いて書きまくることね。 私の小説モドキも、書くのが面白くなって来ましたよ(^^;
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cuckoo2006 at 2021-04-07 12:40
exarakantさん
木のてっぺんからお礼申し上げます\(^_^)/ スーパーの中にある「文章教室」の先生は、自分のことを先生ではなく編集長と呼んでほしいという面白い先生でした。 今はもうこの教室はなくなってしまったようです。 「秋のこおろぎ創作室」の「疎開記」、楽しみに読ませて貰っています。 読者が読みやすいように、完全に著者の記憶のように感じさせるところがプロの技ではと愚考しております(^^;
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