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「かがみの孤城」辻村深月[著]


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内容紹介

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。


 2018年本屋大賞受賞作品。

 中学1年の安西こころは、入学早々クラスのリーダー格・真田美織に身に覚えのない事で嫉妬の標的にされてしまいます。そしてある決定的な出来事が起こり翌日から、こころは学校へ行けなくなります。こころに恐怖を与えた真田らの幼稚な残酷さ。怯えるこころの心境になったり、ひょっとしたら加害者側に居たかも知れない中1の自分を想像したり。無分別な集団心理に現実感があります。突然、大昔の級友達の顔が浮かんできました。

 何があったかを母親に言えないまま、こころは悶々と自室に閉じ籠もります。娘に寄り添いながらも不安と苛立ちを隠せない母親。感情的になった後に反省し、また自分を立て直す母親に感情移入しました。

 やがて、こころは自分の部屋の光を発する鏡から別の場所に吸込まれていきます。そこには、こころと同じように学校へ行っていない7人の中学生がいました。

 奇想天外な話なのですが、こころと同じような境遇の子ども達が読んだら、どんなにか心が楽になると思います。今、自分のすべてに思えるクラスの人間関係などは振り返れば一瞬のこと。でもその真っ只中にいる間はそうは思えません。物語は大掛かりな舞台装置によって「時間という歳月」を提示してみせます。

 こころを苛め良心の呵責も感じていないように見える真田美織。彼女の言動に迷いが見えないのは多分、想像力というものが欠如しているからでしょう。こころが傷ついたということを、どんなに彼女に説明しても理解するのは難しいでしょう。もし理解できれば、そもそもそういう言動は取らないものだからです。決定的に想像力が欠けているという点では担任の伊田先生も同じ。彼も教師として行なった指導に疑問を抱くことはありません。

 それでも人生は案外公平なものです。他者への想像力を持ち合わせぬまま、勝手な人間が勝手なまま幸せに死ねるほど人生は短くない、というのが中1から半世紀を経た者の実感であります。

作者は、転校生・東条萌にこんなことを言わせます。

「低く見えるのなんて当たり前じゃん。あの子たち、恋愛とか、目の前のことしか見えてないんだもん。クラスじゃ中心かも知れないけど成績も悪いし、きっとろくな人生送らないよ。十年後、どっちが上にいると思ってんだよって感じ。」 

 萌は意に反し、こころを苛めるグループに加担してしまいますが、何が起こったのかを大人に打ち明けます。

 今年の夏休みに小・中・高校生に是非読んでもらいたい一冊。大きく視界が開けるでしょう。


by cuckoo2006 | 2018-07-20 15:57 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(2)
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Commented by jyon-non at 2018-07-21 17:17
素晴らしい御本が出たのですね。今度是非、書店に行って見ます!
Commented by cuckoo2006 at 2018-07-22 23:16
jyon-nonさん
終盤近くからミステリーな要素が展開し始めてからは一気読みでしたが、それまでは、やはり中1生に感情移入するのは難しく正直苦戦しました
^^;
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