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「友達いないと不安だ症候群につける薬」 斎藤孝〔著〕
このタイトル、友達なんかいなくてもいいんだ、という主旨の本なのかなと思っていた。
勿論、一人ぼっちは寂しいからと自分を曲げてまで維持する友達関係なんて止めようよ、ということも書いてあった。 でも、主には、友達の作り方、友達関係の距離の取り方を解かりやすく説いている内容だった。 著者は、これを「友だち力」と名付けている。 この本、凄く面白く読んだ。 斎藤孝は、本業は明治大学の教育学の先生、「声に出して読みたい日本語」がベストセラー。 この斎藤先生が、公立中学校へ「いじめと友だち力」の授業をし行くくだりがあって、そこでコミュニケーションのツールとして「偏愛マップ」というものを紹介している。 1人1枚、白い紙にそれぞれに自分の好きなものを書いていく。 例えば、作家だったら村上春樹の「アフターダーク」にシビレテルとか、 氷川きよしが好き、お菓子作りにハマッテル、 漫画は陰陽師、格闘技が命だとか、映画、音楽、食べ物、ファッション、etc. なんでもかんでも好きなもので紙を埋めて自分の「偏愛マップ」なるものをつくっていく。 そして、その「偏愛マップ」を交換し合って、クラスの中でまだ言葉を交わしたこともない友達とそれについて話したり聞いたり聞かれたりのコミュニケーションを展開していく。 これは皆が皆、非常に楽しい!という感想を持つというのだ。 今、特に中学校で顕著なのだそうだが、密閉された「クラス」という力関係の中で友達関係が息苦しくて、子供達は身動きできなくなっている状態なのだという(大人社会でも言えると思う)。 そこで、「全人格」で向き合うというのではなくて、もう少し軽やかな風通しの良い関係、何か1つ共通点を見つけてそれを挟んで「三角形」の形をつくる、そのくらいで丁度いいのだ、とこの本は繰り返し説いている。 「好きなもの」について話せるかどうかがが本来の(ただの知り合いと一線を画する)友だちの定義だったんだから、と。 間に何もないと相手の「人格そのもの」と付き合わなければならなくなり重苦しくて辛い、 常に「好きなもの」を間に挟んで三角形で付き合うと相手の人格そのものと向き合わなくてもよい状態となる、 と、ここまでこの本は言っている。 う~ん、これは私には目から鱗だった。 何だか気が軽くなるような感じ、これはいいなあ、自分に合ってるなあと思ってしまった。 そして、「友だち力」には、何よりも「自分の世界」を持っていることが大事、 いざとなったら自分の戻るべき世界を持っていること、 友だちとの「距離感」は自分の世界を持っているかに関わっている、というのも深く納得。 「鹿川君事件」の項目では、10年後のリポートの中に当時の級友達の証言が集められている。 『鹿川君の傍にいると彼の弱さと自分が一緒に見られるのがとても嫌だった、自分は本当に卑怯で弱かった』、 という心の内を告白するところなど胸を突かれる思いで読んだ。 ほどほどの距離をうまくコントロールできる「友だち力」は、70代、80代になっても人生の中で決定的に重要になってくる力である、とあとがきにあった。 何やら素敵なヒントをもらえた1冊でありました。
by cuckoo2006
| 2006-07-05 16:38
| 本(日本のもの)
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Comments(2)
楽しく、興味深く拝見させていただいています。
「鹿川裕史くん事件」は、起きたのが私の通っていた中学のすぐ近く(中野区立富士見中学校)で、私が中学を卒業した直後だったので、他の「いじめ」関係の事件と比べても、特に印象に残る事件です。 当時の中学校は、「暴力」による「肉体的」ないじめから、「言葉」「行動」による「精神的」ないじめに変化し始めた年代で、私が通っていた中学校でも問題になっていました。 「このままじゃ、生きジゴクになっちゃうよ」という遺書のくだりは、当時はもう高校生だった私にも深く心に突き刺さった記憶があります。 斎藤孝氏言うところの「友だち力」が一番必要なのは、そんな「いじめ」の端境期に生きた、我々世代なのかも知れませんね。
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Commented
by
AKIKO
at 2006-07-10 19:59
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わかぞうさん、いらっしゃいませ!
ブックマート登録もありがとうございました。 こちらからのリンクは、どこをどういじったら良いものか悪戦苦闘中・・しばらくお待ちください・・ ところで、実は、「中野区のご出身」と「お年」から、わかぞうさんに「鹿川君事件」のことをお聞きしてみたいと思ったことが何度かあったのです。でも、やはり尋ねられませんでした・・余りに重い話題なので・・ 今回、貴重なお話が聞けてとても良かったです。ありがとうございました。 「友だち力」と言えば、興味の共通項を真ん中にどかんと置いた私達「同好の志」は、そういう意味で理想的な友達関係って言えますよね。 そんな訳で今後とも末永くどうぞよろしくです!
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