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「チルドレン」 伊坂幸太郎〔著〕
『こういう奇跡もあるんじゃないか?
まっとうさの「力」は、まだ有効かもしれない。信じること、優しいこと、怒ること。それが報いられた瞬間の輝き。ばかばかしくて恰好よい、ファニーな「五つの奇跡」の物語。 吉川英治文学新人賞作家、会心の受賞第1作!』 若手ナンバーワンの人気と実力を誇る伊坂幸太郎、「重力ピエロ」の次に読んだのは「チルドレン」。 短編集の形式なのだが、登場人物が5篇に跨って顔を出すので、著者があとがきで書いているように一つの長い物語として楽しめる。 1篇目「バンク」、たまたま入った銀行で、大学生の陣内、鴨居、盲目の青年永瀬らは事件に巻き込まれる・・・ 2篇目「チルドレン」、そこから十数年が経過し、陣内は家裁調査官として働いている。ここで同僚の武藤が登場・・と、物語は時計の針を進めたり戻したりしながら展開してゆく。 「重力ピエロ」では、殺人、暴力、放火、そんな刺激の強い題材ばかりが並んでいることに少々気が滅入った。若い人が読む本って、もうみんなこんな風なのかなあ・・正直、母さんは嘆いた・・ が、この「チルドレン」は全く違っている。さしたる事件も起きず気だるいほどゆったりと日常が描かれていく。 登場人物の語り口や姿勢、なさそうでありそうな情熱に不真面目なようで真面目な働きぶり、低温だけど地熱はないこともなく・・ほんとに今の若者ってこんな感じだなあと面白かった。 大きなテーマの一つは「重力ピエロ」とも共通する家族の問題、父親との関わり。今回は全く荒技を使っていない。家裁に送られてきた少年達とのやり取りを交え、淡々と口当たり良く仕上がっている。 そして、差別への問題提起、「重力ピエロ」で次男・春を我が子として受け入れた父親と「チルドレン」の永瀬に対する陣内の対応、この両者から作者のメッセージを強く感じた。 同じ主題で技巧を変え、これだけ雰囲気の違う小説を練り上げる伊坂氏、やっぱり只者ではない。 とにかく陣内、永瀬が個性的で魅力的、そして彼らを取り巻く友人達も非常に等身大、これは同世代を描く作家ならではと思った。 サントリーミステリー大賞佳作「悪党たちが目にしみる」、新潮ミステリー倶楽部賞「オーデュボンの祈り」、そして「陽気なギャングが地球を回す」、まだまだ読みたい伊坂作品がたくさん!楽しみです。 「チルドレン」は、2004年度上半期直木賞候補作
by cuckoo2006
| 2006-09-25 19:30
| 本(日本のもの)
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Comments(7)
Tracked
from 阿立 力哉 の 俺様日記
at 2006-09-26 13:09
タイトル : 重力ピエロ
今日から仕事三連勤で、今は仕事から帰ってきた。 仕事中は、忙しい時間を過ぎると暇なので、 読書TIME! 伊坂の「重力ピエロ」を読んだ。 これで、二度目の読み。 他の伊坂作品とのリンクもわかって、 二度おいしい。 読んでみて、思った事は、 「物事の本質を見極めよう」っちゅうテーマなんだろうな、 きっと、多分…、そうだと思う。 作者の意図はそんなとこだろう、自信はないが(汗) 最近、自分の音楽活動を、なんかまわりに振り回されて、 焦ってた?、ような気がする。どこの誰そ...... more
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from miyukichin’m..
at 2006-11-07 22:05
タイトル : チルドレン
伊坂幸太郎:著 『チルドレン』 短編集だけど、伊坂さんいわく 「短編集のふりをした長編小説」だそう。 たしかに、登場人物は少しずつかぶっています。 ただ、かぶってはいるけど、 語り手がそれぞれで変わっていくため、 同じ人物の描写でも視点が違って、新鮮に映ります。 すべての話に登場するのは、家裁調査官の陣内サン。 堅そうな職業に似合わず、 かなり破天荒に見える変わったヤツ。 だけど、一見ハチャメチャに見えても 芯の部分で信頼できるあたたかさを、 どこか感じさせてくれま...... more
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from ミステリー倶楽部
at 2007-02-25 08:24
タイトル : チルドレン |伊坂 幸太郎
最近活字離れをしていたのでリハビリとして手に取った一冊。 大変読みやすく、すんなりと一冊読み終えました。 何も気負う事なく楽しく時には深く、充実した時間が持てたと思います。 が、全編に共通して出てくる「陣内」君。確かに魅力的な人物ではありますが どうしても、過去に色んな作家さんが書かれた様々な作品の『珍妙な人物像』 を寄せ集めて作ったような、どこかで見た性格設... more
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cuckoo2006 at 2006-09-26 22:48
阿立力哉さま、「俺様日記」拝見しました。
「重力ピエロ」のテーマは、「物事の本質を見極める」、ナルホド!と膝を打ちました。 家族の問題、差別の問題は、そのテーマを掘り下げるためのツール(でも欠かすことができない)と言えるかもしれませんよね。 そして、本質真実だけを見据えて、軽やかに生きていく・・ 「物事の本質を見極め、軽やかに生きる」これがテーマかな、なんて思い当たりました。そういう意味で「チルドレン」も全く同じです。 貴重なご意見を読ませていただいてラッキーでした。 トラックバックありがとうございました! 同じく村上春樹の小説好きより
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rikiya_adachi at 2006-09-27 23:00
こんばんわ、はじめまして!
「物事の本質を見極め、軽やかに生きる」、 そうですね。そのとおりのテーマだと思います。 けっこう、伊坂作品のテンポ感とか、他の作品とリンクしてるとこも、 好きだったりします。こちらこそTBさせていただきありがとうございました。また、お邪魔させていただきます。。
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cuckoo2006 at 2006-09-28 10:31
力哉さん、コメントありがとうございます。
>けっこう、伊坂作品のテンポ感とか、他の作品とリンクしてるとこも、 好きだったりします。 同じ人物が、こっちの物語では端役、あっちの物語では主役、として登場したりするそうですね。私はまだ2冊目なので、このあたりはこれからの楽しみです。 実は、伊坂本と春樹本のほとんどは息子(力哉さんと同年代デス)から借りて読んでいます。 この二人には、テーマを初め不思議と共通するものを感じています。どちらも直木賞を逃していますし・・(伊坂氏はまだチャンスあり) そうそう、ノーベル文学賞の発表がいよいよ来月。何が何でも春樹氏に受賞してもらい「村上春樹?ケッ」と言い放つ人々の鼻を明かしてやりたいワタシです。 それでは今後ともどうぞよろしく!
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cuckoo2006 at 2006-11-08 18:40
みゆきちさん、こんばんは。
伊坂作品は本当に読後感が良いですよね。 自分の中に一本芯を持ち自分のリズムで人生を生きる・・私も伊坂幸太郎の描く世界にとても引かれます。 もう少し若い時に読みたかったけれどギリギリこの作家に出会えた幸運に感謝。 同じ作家が好きだと分かると親近感が湧きますね。 コメント、TBありがとうございました!
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きぬえ
at 2013-11-20 08:48
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”重力ピエロ”で、圧倒された、伊坂幸太郎。
その後は、なんだか、わたしには今ひとつで、しばらく離れていたのですが、 ふとしたきっかけでこの本を手にとった、この本に、 またしても、魅了されました、、、 続編を首を長~くして待ちます、(*^。^*)
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cuckoo2006 at 2013-11-20 22:01
きぬえさん、私もこのところ伊坂幸太郎から離れていて(というよりすっかり忘れていて)「チルドレンⅡ」が出ていたことを今知りました・・・
伊坂本、久々に読んでみたくなりました♪
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