小説、映画、絵手紙、都々逸
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「阪急電車 片道15分の奇跡」 監督三宅喜重

a0163466_211718.jpgストーリー
「フリーター、家を買う。」「図書館戦争」などで知られる人気作家・有川浩の原作小説を映画化。兵庫・宝塚市の宝塚駅から西宮市の今津駅までを結ぶ阪急今津線を舞台に、婚約中の恋人を後輩社員に奪われたアラサーOL、恋人のDVに悩む女子大生、息子夫婦との関係がぎくしゃくしている老婦人らの人生が交錯する。片道15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々を描くヒューマンドラマ。主演は中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子。共演に人気子役の芦田愛菜ら。
キャスト
中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、谷村美月、有村架純、芦田愛菜、小柳友、勝地涼、玉山鉄二(eiga.comより)


 
 この映画は、私は全くダメでありました。家のテレビでこれを観ていたら確実にチャンネルを変えてる場面が4、5回あった。“相容れないもの”を感じてしまいました。

 宝塚駅から終点まで片道15分の阪急電車を舞台に、まずそれぞれの駅沿線に住む女性達の横顔が紹介されます。結婚準備中に後輩に婚約者を奪われたOL、イケメン彼氏のDVに悩む女子大生、PTA仲間とのランチを断れない主婦、、、そんな彼女達が電車の中でふと隣合せた人とのご縁から、それぞれの心悩む日常を一歩抜け出す、というストーリー。きっと原作はとても良いお話なのでしょう。

 良いお話なのは分かるのだけど、分別臭く、説教臭く、心温まるのを押しつけられる居心地の悪さがあった。宮本信子さん演じるおばあさんの“したり顔”が鼻についてしまいました。多分、初めて会った者同士が短い時間に何かを伝えあう、という設定に、饒舌なセリフですべてを説明しなければならない苦労があったのでしょう。ラストシーンも中谷美紀と戸田恵梨香の「なんかさー、この世界も悪くないよね」「そうですね」の会話で終わります。こういうのはセリフじゃなくぜひ観客に自然に感じさせて欲しいものです。

 素敵なメッセージもありました。最初のエピソードで、元婚約者の結婚式にウエディングドレス姿で出席した帰りの中谷美紀に、隣に座った宮本信子が「今のあなたは素敵よ。そういうあなたが私は好きよ」と優しく告げる。最後のエピソードで、その中谷美紀が、いじめる級友達に毅然と言い返した少女にホームのベンチで「今のあなたは凄く格好良かったわ」と伝える。『今のままで充分素晴しい』と相手を自分を肯定することは本当に大切なことだと思います。

 が、今年の暫定マイワースト1作品、アシカラズ、、、


@TOHOシネマズ西新井


★次回は、海外ミステリー「五番目の女」です。
by cuckoo2006 | 2011-05-29 21:41 | 邦画 | Trackback | Comments(0)

「きのね」上・下 宮尾登美子[著]

d0074962_19144909.jpgd0074962_19150115.jpg ストーリー  上野の口入れ屋の周旋だった。行徳の塩焚きの家に生れた光乃は、当代一の誉れ高い歌舞伎役者の大所帯へ奉公にあがった。昭和八年、実科女学校を出たての光乃、十八歳。やがて、世渡り下手の不器用者、病癒えて舞台復帰後間もない当家の長男、雪雄付きとなる。使いに行った歌舞伎座の楽屋で耳にした、幕開けを知らす拍子木の、鋭く冴えた響き。天からの合図を、光乃は聞いた…。(文庫本裏表紙より)

 宮尾登美子さんが「国民的作家」と言われることに納得しました。この一冊を仕上げるのにどれだけ資料を調べどれだけ取材し、どれだけの時間を執筆に費やしたのか、ずっしり読み応えがありました。で、文句なく面白かった!

 父親の借金のため一家離散状態にある光乃は、実科女学校卒業後、歌舞伎役者の家へ女中奉公に上がる。華やかな世界の舞台裏へ飛び込んだ光乃は、持ち前の地道で口の堅い気質から信用を得、やがて当家の長男雪雄付きとなる。雪雄は類まれな美男役者だったが、不器用で口下手の癇癪持ちで何故か大事な襲名の折に長患いの病に見舞われていた。光乃は、雪雄の舞台姿を目にしたその日から、拍子木のきの音と共に、雪雄の存在が鮮やかに胸に灼きつく。雪雄の愛人の出産、結婚と離婚、一門宗家への養子入り、そして戦中の耐久生活に光乃は雪雄に自分の命をかけ仕え続ける。そんな日々の中、光乃は雪雄の子供を身籠っていることに気づく・・・・
 
 
花形役者だが何だろうが女房に暴力をふるう男など不愉快極まりないし、雪雄の新婚生活が破綻していくのに消極的に加担した(坊っちゃまが蛸がお嫌いなことも若奥様に教えない)光乃は結構したたか。すべての後始末をしてやる“坊っちゃん命”の奉公人・太郎しゅう(この人の江戸弁には聴き惚れた)は、目に余る過保護・・・というふうに途中までは出て来る人があまり好きになれませんでした。しかし、光乃がたった一人で出産をやってのけるあたりからは、そんなことは全部吹っ飛んでいきます。この人は凄い!理屈抜きに。何を犠牲にしても雪雄の芸のために生き、そしてそれ以上に立派なのは、その人の妻となってからも陰から支える役割を一つも変えない。ブレがない。それは見事な人生です。

 私は、光乃の晩年の心模様に引かれました。若い時分の苦しい嫉妬を思い返し、今は多少のことがあっても心が穏やかなことに自分で驚くところ。親類筋の葬儀で、次男と三男の嫁と三人が揃い、「かわいそうなくらいダンチだねえ」と陰口に悲しみながらも、ありのままで自分のできることをしようと決心するところなど、共感しました。

 この物語は良く知られるように、十一代目市川団十郎夫人がモデルとなっています。本を書くにあたり著者は、団十郎サイドから、十一代目のイメージが損なわれるのを心配してか、色よい返事はもらえなかったそうです。しかし、巻末の解説で壇ふみさんが書いている通り、『読み了えたとき、先代の芝居を一度観たかったいう痛恨だけが残り、いささかも偉大な役者の風格を損なわない』に賛成です。それは、歌舞伎の舞台に命を捧げ、それを生涯傍らで支えた妻への労りが充分過ぎるほど感じ取れたから。56歳と59歳で亡くなった夫妻に安らかにと手を合わせたい気持で本を閉じました。


★次回は、映画「阪急電車」です。

by cuckoo2006 | 2011-05-21 20:24 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(2)

「イリュージョニスト」 監督シルバン・ショメ

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ストーリー
フランスの喜劇王ジャック・タチが娘のためにのこした脚本を、「ベルヴィル・ランデブー」のシルバン・ショメ監督がアニメ映画化。舞台は1950年代のパリ。初老の手品師タチシェフは、場末のバーで時代遅れの手品を披露しながら細々と暮らしていた。ある日、スコットランドの離島にたどり着き、そこで貧しい少女アリスと出会う。タチシェフを魔法使いだと信じこみ慕うアリスと、生き別れた娘の面影を重ねるタチシェフ。2人はエジンバラで一緒に暮らし始めるが……。
キャスト (eiga.comより)
クロード・ドンダ、エルダ・ランキン


 ゴールデンウィーク明けに駆け込み見逃さずに済みました!今までに観たアニメーションの中で文句なしのピカ一。パリ、ガス灯、ミュージックホール・・・私はもともとこの辺の雰囲気に弱いのですが、(「幸せはシャンソニア劇場から」もツボだった)、とにかく画面の「絵」が美しい。街の描写の繊細さ、人物のなめらかな身のこなしに魅せられました。セリフはほとんどありません。

 ロックンロールとテレビの台頭で時代は大きく進み、かつての人気を失った老マジシャン・タチシャフは場末の劇場を転々とする暮し。そんな現在の境遇を怒るでも嘆くでもなく、淡々と旅を続けながら目の前の客にマジックを披露してみせます。いつでもどこでも身だしなみ良く、マナーは紳士そのもの。これが本当に素敵でした。たとえ時代遅れであろうと自分のマジックのスタイルがしっかりある。これが生きるスタイルに繋がっているように思えました。

 一方、彼を魔法使いと信じ込む少女アリスは、純真と言えばその通りですが、ちと図々しかった。年寄りを長椅子に寝かせて平気というのはヒドイでしょう。それでもタチシャフはアリスを喜ばせることが生きる張りになっていたのですね。大人になったアリスが新しい道を歩き出すのを、タチシャフは寂しさと共にこれで良かったと心から思ったことでしょう。したたか酔ったタチシャフがアリスの寝室を覗いてすぐにドアを閉めるシーンは印象的。それから、一緒に旅を続けてきたマジックの看板ウサギとの別れのシーンは沁みます。背伸びしてタチシャフを見送る白ウサギに、鼻の奥が痛くなりました。

 エンドロールの途中で立ち上がれなかった映画は久しぶりです。他の観客も全員が座ったままなので、みんな同じなんだ、と納得していたら最後にもうワンシーンありました。ああ、良かった~

前回、次は「きのね」とお知らせしましたが、まだ下巻の途中なもので、次回にお話しいたします♪
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@シネマート六本木

by cuckoo2006 | 2011-05-11 22:22 | 洋画 | Trackback(1) | Comments(2)