小説、映画、絵手紙、都々逸
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「クリスマスの思い出」トルーマン・カポーティ[著]村上春樹[訳]


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内容紹介
ささやかな、けれどかけがえのないクリスマス。画と文がともに語りかけるシリーズ最終巻はカラー頁を加え、より美しく、愛らしく


 


 

 ああ、いい本読んだなあと久しぶりに思いました。新聞の年末年始のお勧め本のコーナーで、「毎年クリスマスになると読みたくなる本」として紹介されていました。訳は村上春樹、すぐに図書館へ向かいます。

 カポーティの短編小説の中の「イノセント・ストーリー」と呼ばれる作品の代表作で、またあえてジャンルを限定しなくても、この短編は彼の散文のある種の頂点を記録している、と巻末で村上春樹は語ります。

 登場人物は、7才の少年バディ、彼の“おばあちゃんいとこ”の童女、そして、ラットテリアの雌犬クイーニー。二人と一匹は、同居する無理解な親戚達に辛く当たられても、気にもかけない。なぜなら彼らは、お互いを信じ合った無二の親友だから。そんな彼らにとってクリスマスの準備は、一年に一度の大仕事です。30個のフルーツケーキを焼き、世界中の(一度だけ会ったことがある)友達に送り、森の奥の秘密の場所から選りすぐりの樅の木を引きずって来るのです。

 知恵と体力を絞り、周到に準備されていく彼らのクリスマスイベントに胸が躍ります。子供の頃、こんな世界にいた記憶が蘇ってきます。そして、これが彼らがともに過ごした最後のクリスマスとなったのでした、、、、

 日曜日の朝、ぬくぬくしながら布団の中で読み終わりました。挿絵の山本容子さんの銅版画のクイーニーの仕草がウチの犬に似ていてとろけました。大人へのクリスマスプレゼントにぴったりの本です。

          ~・~・~・~・~・~・~・~・~

 2012年もあと一日となりました。健康で平穏に過ごせたことにただただ感謝。今年は、スカイツリーを拝みながら隅田公園でお花見をし、スカイツリービューで夜景を眺めながら忘年会。東武線の車窓から臨むスカイツリーに元気をもらったような一年でした。来春は、いよいよ新しい歌舞伎座の開幕、またお祭りムードに乗っかり心賑やかにいきたいものです。今年も「気ままな読書ノート」をお読みくださりありがとうございました。

 
  師走のホームの北風よけて啜るかき揚げ蕎麦の汁

    
それでは、皆さま暖かくして、どうそ良いお年を!


★次回は、「2012マイベスト5シネマ」の発表です♪

by cuckoo2006 | 2012-12-31 14:30 | 村上春樹 | Trackback | Comments(2)

「恋のロンドン狂想曲」監督ウディ・アレン

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解説「それでも恋するバルセロナ」「ミッドナイト・イン・パリ」のウッディ・アレン監督が、ロンドンを舞台に2組の夫婦が織り成す4つの恋を描いたラブコメディ。ある日突然、死の恐怖にとらわれたアルフィは、若返りの特訓に励み、挙句の果てにコールガールを恋人にする始末。妻のヘレナは夫のそんな様子に茫然自失で、インチキ占い師の助言に従って新しいパートナーを見つける。一方、2人の娘サリーと一発屋の作家ロイの夫婦にも、危機が到来。サリーはギャラリー経営者にひかれ、ロイは自宅の窓越しに見かけた赤い服の美女に心奪われてしまい……。アンソニー・ホプキンス、ジェマ・ジョーンズ、ナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリン、アントニオ・バンデラスら豪華キャストが共演。
キャスト: アントニオ・バンデラス 、 ジョシュ・ブローリン 、アンソニー・ホプキンス 、ジェンマ・ジョーンズ 、 フリーダ・ピント、ルーシー・パンチ 、 ナオミ・ワッツ (映画.comより)


 かなりの悲惨な結末なのですが、観終わって心が軽くなるのは、ウディ・アレンならではでしょう。前作の「ミッドナイト・イン・パリ」は、少々ほのぼのし過ぎ。こちらは、数年前に観た「マッチポイント」を思い起こす捻り具合です。

 今度の舞台はロンドン。熟年の両親とその娘夫婦、二組の夫婦の家庭外での恋の行方や如何に。冒頭、「人生とは所詮無意味なから騒ぎに過ぎない」というテロップが流れます。シェークスピアの名言が、この物語を一言で語ります。

 アンソニー・ホプキンス演ずる夫は、自分の人生が残り少ないことに突如恐怖を抱く。若さを求めて肉体改造した彼は、長年連れ添った妻を捨て、コールガールの恋人と再婚します。悲嘆に暮れた妻は、占い師に救いを求め精神世界に心酔していく。一方、娘夫婦は、一発屋の作家の夫は現実を見ようとせず、向かいの部屋のエキゾチックな美少女に心を奪われ、画廊で働く妻はボスとの新しい人生に思いを馳せます。

 痛快でした。分別のある人間など一人も出て来ない。全員が、地滑りのようにまずい状況に陥っていくのですが、これは一歩間違えば誰にも起こり得る展開。大笑いしながら苦いものが込み上げてきます。
 
 初めはイライラさせられた妻に、後半は肩入れしてしまいました。占い師の予言を理由に、娘の経済援助の要求を撥ね付け、もう一度やり直そうと戻って来た夫に「来世でね」と微笑む。娘や夫にいいようにされるより、インチキ占いでも元気に生きる方がよっぽどいい。新恋人まで出来てしまいます。

 娘の夫の状況は一番深刻で、それだから、皮肉にもこれが一番可笑しかった。「マッチポイント」を観た帰りにも笑い出したくなったのを思い出します。心がカラッとする不思議な感覚。これぞウディ・アレンなのかも知れません。


@新宿武蔵野館


★次回は、トルーマン・カポーティの「クリスマスの思い出」です。

by cuckoo2006 | 2012-12-17 18:31 | 洋画 | Trackback | Comments(0)

「かけら」青山七恵[著]

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内容紹介
家族全員で出かけるはずだった日帰りのさくらんぼ狩りツアーに、ふとしたことから父と二人で行くことになった桐子。口数が少なく、「ただのお父さん」だったはずの父の、意外な顔を目にする(表題作)。結婚を前に、元彼女との思い出にとらわれる男を描く「欅の部屋」、新婚家庭に泊まりに来た高校生のいとこに翻弄される女性の生活を俯瞰した「山猫」。川端賞受賞の表題作を含む短編集。


 
 本を開いて数ページ読むと、作者との相性が分かります。この本は、もう数行でしっくり来ました。外出先で、この本の続きが読みたいためにお茶したりベンチに腰かけたりしました。三編を一日で読了。独特の雰囲気のあるお話です。
 
 表題の「かけら」は、父とさくらんぼ狩りのバスツアーに行く話。元々は、遊びに来た兄の子供のために母が予約したツアーでしたが、兄の子供が熱を出し、女子大生の娘は父親と二人で参加するはめになります。朝の集合場所で父を見つけてからの日帰りツアーの一日が淡々と描写されます。中高年女性グループでいっぱいのバスの中、父娘の弾まない会話や休憩所での様子、さくらんぼ狩りに昼食と何も起きないままツアーは進行していくのですが、これが退屈しないのです。父がツアーのご婦人達に頼み事をされたり、お年寄りに手を貸したりするのも娘にとっては初めて目にする不思議な光景そのもの。娘が、この父の良さを分かるのにはまだ数十年はかかることでしょう。

 次の「欅の部屋」もドラマチックなことは何も起りません。結婚間近い男性は、長年暮らして来た部屋から新居へ越そうとしている。同じ建物の別の部屋には、数年前まで付き合っていた彼女がまだ住んでいました。新生活への準備の最中に、元の彼女との思い出が断片的に蘇ります。今の彼女に不満があるわけでもなく、元の彼女に未練があるわけでもありません。いよいよ引越しの日、ドラマだったらここで元彼女と出くわすだろうに、もちろんそんなことは起らない。それでもアパートを出る時、そっと彼女の部屋のカーテンを振り返ったりもします。人って本当にこうして今の場所から次へと移っていくのだなあとしみじみ思いました。

 最後の「山猫」は、大学受験を控えた親類の娘を数日間預かる新婚女性の話。叔母の突然の頼みに戸惑いながらも、これまでほとんど付き合いもなかった離島に住む従妹に、出来る限りのことをしてやろうとする彼女でしたが、、、これも読んでいるだけで神経が疲れてくるようなリアリティがありました。

 三編とも、何と言うこともないけれども、胸に小さく句点を残したような一日のお話。物語のそこここにある、気詰まりや気まずさ、気疲れなど覚えのある感情に共鳴しました。ほんとに普通の生活ってこんなふう。特別なことは何も起らないドラマ、好みでした。


★次回は、ウディ・アレン監督の「恋のロンドン狂想曲」です。

by cuckoo2006 | 2012-12-09 18:12 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(0)