小説、映画、絵手紙、都々逸
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如月「梅」えてがみどどいつ

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春へ乗り込む常磐線は梅の見頃の臨時駅

by cuckoo2006 | 2018-02-27 16:07 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(2)

如月「雪うさぎ」えてがみどどいつ

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あなたのお酌で炬燵で鍋で雪も全然悪くない

by cuckoo2006 | 2018-02-24 17:40 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(2)

如月「おでん」えてがみどどいつ

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だあれも元気なふりなどしない屋台の大根しみている

by cuckoo2006 | 2018-02-22 14:02 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(2)

如月「栞」えてがみどどいつ

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本の続きが待ってる寝床湯船の温みも連れていく

by cuckoo2006 | 2018-02-17 16:53 | えてがみどどいつ | Trackback | Comments(2)

「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子〔著〕

 
d0074962_16044393.jpg   
内容 74歳、ひとり暮らしの桃子さん。夫に死なれ、子どもとは疎遠。新たな「老いの境地」を描いた感動作!圧倒的自由!賑やかな孤独!63歳・史上最年長受賞、渾身のデビュー作!第54回文藝賞受賞作。








 「あいやぁ、桃子さん、私にそっくりだわ!」出だしから引き込まれました。

 著者は63歳主婦・若竹千佐子さん。芥川賞受賞の記者会見で受け答えされる姿に引かれ、すぐ本屋さんへ走りました。数件回りましたが、北千住の紀伊國屋書店にも影も形もありません。手に入ったのは1週間以上も後のこと。売切れ続出というのではなく、書店にとって全くノーマークの本だったようですね。
 
 一日で読了、続けてもう一回初めから読みました。著者に無性にシンパシーを感じただけのことはあります。主人公の主婦・桃子さん(74歳)の思考回路が自分と重なって驚きました。こういう人って自分の他にもいるんだ、と読者に思わせるところは作者の力量でしょう。

 冒頭から、というよりも全編を通して桃子さんの東北弁による独白です。その独白とは、話し手も「おら」、聞き手も「おら」、小腸の柔毛突起のように何人もの「おら」がいて、それぞれ交互に大きくなったり小さくなったりしながら物を言い合うのです。

 桃子さんは理屈っぽく観念的で人付き合いが悪く考え抜く性格。自分の頭の中でとことん考え抜いた末、自己完結します。面倒臭い性格の桃子さんに激しく共感しました。

 夫が死に子供達は離れ、一人生きる意味を桃子さんは問い続けます。雨だれを眺めながら、洗濯機の渦を覗き込みながら、市営墓地へ向かいながら。そしてストンと桃子さんに落ちてきた答え。それは人生の真実そのものです。人の心は一筋縄では行かないのっす。

 恥ずかしながら私も小さなことに悩み、その事に心を支配され考え抜く性分です。それでも考えることに、いい加減疲れ果てた時にストンと落ちてくるものがあります。心が現実と折り合いをつけるのでしょう。難儀な自分に辟易しますが、桃子さんもおんなじだあと嬉しくなりました。

 そして、私にストンと落ちてきた感想は、長生きしたくても、したくなくても死ぬ日まで生きていくということ、死ぬその日まで生きるのだという、さっぱりした覚悟でした。桃子さんが心の友達になりました。


by cuckoo2006 | 2018-02-04 20:32 | 本(日本のもの) | Trackback | Comments(2)

「畳替え」エッセー@文章教室

   畳替え    


昨年末、畳を替えた。今の住まいに移り十年になる。畳も古くなった。お正月にはヨチヨチ歩きの孫も来る。嬉しい気分でパンフレットを眺め、選んのだのは新しいタイプの畳である。一枚一枚が半畳で縁がない。イ草ではなく和紙で出来ている。洋風の感覚が気に入った。事前の部屋の採寸を経て、当日は古い畳を運び出し新しい畳を入れる短時間で済んだ。拍子抜けするくらい簡単だった。


 私の子供時代には畳替えというと、それは大変なものだった。家の全部が和室という家がほとんどだったのである。

 私は新宿区東大久保で育った。父の勤める会社の社宅に三歳から、その社宅が取り壊される小学校六年生まで暮らした。

 NHKや化学会社の社宅に住んでいる同級生もいた。新宿にまだ社宅があった昭和三十年代から四十年代初めの頃のことである。

 NHKなどの社宅は当時にしては新しい白い三階建てだった。一方、私が住んでいた社宅は路地に沿って平屋建ての家がずらーっと並んでいた。モルタルではなく古い板張りだった。

 道路を挟んだ向かい側には裁判所の官舎が建っていた。こちらの社宅二軒分の間口が向こう側の家一軒分の広さだった。裁判所の子の家に遊びにいくと庭も広く子供心にも今で言う格差を感じたものである。

 その社宅と官舎の間の道路で年齢もばらばらの友達と来る日も来る日も遊んでいたのが私の子供時代だった。

 さて畳替えの話である。何年かに一度、社宅の畳替えが行われる。二組の畳職人が路地の端と端から畳替えに取り掛かる。一日に一軒ずつ中央に向かって進んでいくのだ。

 畳職人が庭に外した畳を並べ、大きな針で肘をごりごりと使いながら畳表を縫い付けていく。子供にとって職人さんの動作は面白い。けれども近寄ると危ないので怒られる。

 「今日、畳屋さんは○子ちゃんと○夫君の家にいるから明後日くらいがウチかな?」

 畳替えの進み具合を子供達は興奮して話し合った。

 いよいよ我が家の日になると母が畳屋さんにお茶やお菓子を出す。そのおこぼれをいただくのも嬉しい。家中の畳が新しくなると大人も子供も華やいだ気持になった。畳替えは子供にとってワクワクする一大イベントだったのである。


 新しい畳は和紙で出来ているのでイ草独特の良い匂いはしない。それでも替えたばかりの畳が目に入ると気分が新たになる。今年が佳い年になるような気がしてくるのだ。



by cuckoo2006 | 2018-02-03 15:39 | エッセイ@文章教室 | Trackback | Comments(2)